長崎の空き家は、紹介で買取(引き受け)が決まる!?空き家所有者の思いとは?
長崎の空き家の情報って、そもそもどうやって入手しているのか。
インターネットのポータルサイトからの情報?不動産流通機構(REINS)サイトから?空き家バンク?
もちろん、インターネット上にも空き家の物件情報はたくさんあります。全国の地方公共団体のホームページ上などで提供されている空き家の情報は「空き家バンク」と呼ばれ、全国の空き家の情報をみることができます。沖縄から北海道まで、エリアは様々です。ただ、「長崎市内」などで、地域に特化した物件情報のサイトはまだまだ多くありません。
意外と、長崎の空き家は紹介で買取(引き受け)が決まっていることもあります。それはなぜなのか。紹介できる方がいない場合は、空き家所有者はどうやって空き家を引き継いでいけばいいのか。誰に依頼すればいいのか、わからないことも多いと思います。
空き家所有者の思いとは裏腹に、不動産会社がなかなか空き家を掲載するのが難しい環境にあります。不動産会社の仕組みと合わせて、理由もみていきましょう。
【長崎】そもそも空き家の自社買取している会社が少ない
長崎では、空き家を不動産会社が自社で買取するということが少ないとされています。理由は、空き家自体は10万円や100万円で購入できたとしても、その購入の際の諸経費は一般的な不動産売買と同様にかかってしまうからです。仲介手数料(実質33万円)、不動産登記費用一式で10万円前後、1取引に1度課税される不動産取得税おおよそ8万円、固定資産税精算金年間4万円程度、さらに火災保険に加入する場合は、年額8万円。仮に10万円で購入できたとしても、50万円以上は諸経費がかかってしまいます。
さらに、不動産会社が購入して、販売する際には、「契約不適合責任」というものが適用されます。空き家の契約不適合責任については、下記参照ください。
「空き家再生における契約不適合責任とは?」
契約不適合責任があると、リフォームをおこなって、住宅として販売する際に、売主側にリスクが発生します。空き家に対して、どういったリスクがあるのかという知識や専門性がないと、事業経営として、最悪のケースとして「買取するリスク」を考えなければならず、なかなか手を出すことができません。また、新築戸建や新築マンションなどのように、物件として新しく、かつ利益を出せていれば、契約不適合責任が発生しても、リスクは最小限を予測することもできて、コストも抑えることができます。そこまでリスクをかけて、空き家をリフォームして再販するべきなのか。悩ましいところだと思います。
こういう宅建業法上のリスクや、コストを考慮すると、なかなか自社で空き家を買取するという判断をするのが難しいのだと推測できます。
【長崎】それでも空き家の情報は地元の不動産会社へ
自社買取する不動産会社は少ないなか、空き家所有者には、、
「空き家の管理をするのが体力的にも難しくなってきた」「空き家をなんとか売りたい」「空き家を引き取ってくれる人を探して欲しい」
という思いがあります。
そのため、自社の買取ではなくても、一般のお客様に売れないか、不動産会社に査定依頼をします。地場の大きい不動産会社に依頼したり、昔からお付き合いされている不動産会社に相談したりします。地場の不動産会社は空き家の情報をたくさんもっています。
いわゆる低廉な空き家等だったとしても、築浅の戸建だったとしても、不動産会社の業務内容に大きな違いはありません。
・査定書を提出。販売価格を確定
(媒介契約書作成、締結)
・物件の情報を調査する
(役所調査、水道やガスなどのインフラの状況など調査)
・調べた物件情報を自社サイトや、ポータルサイトへ掲載する
・掲載した物件の問い合わせにひとつひとつ対応する
長崎の斜面地の空き家については、不動産の固定資産税評価額や路線価で査定をだすと、だいたい200万円前後から500万円前後となります。しかし実態として、その価格では、売れないことが多いです。長崎の斜面地の空き家で、その価格では、問い合わせがほとんどこないのです。
【長崎】価格を100万円以下に下げると問い合わせが殺到
最初に提出した査定額のまま売却活動をしていても問い合わせはなかなかきません。その間に空き家は老朽化が進んでしまいます。
空き家所有者が、仮に、極端に安くしてもいい、50万円で掲載して欲しいと、価格の改変を担当者の方に伝えても、担当者は怖くて変更することができません。
実は、その改変後の金額のまま掲載することで、今度は逆に、不動産というカテゴリの中では、あまりにも「安すぎて」問い合わせが殺到してしまうのです。中には、興味本位で、購入する意思はないのに、「資料を送ってください」という問い合わせだけをする方もいらっしゃいます。資料はもちろん送りたいのですが、資料も準備するのにそれなりに時間がかかります。不動産に関する資料を全て用意しようと思ったら、社内にデータ保存されていても、30分程度はかかるでしょう。また、資料ってどこからどこまで送るのか。など、困惑してしまいます。そして資料を送ったら、音信不通。電話番号も使われていなくて、資料を送ったメールアドレスに連絡しても返信はない。こういうやりとりが日常茶飯事になってしまいます。
【長崎】空き家専門の不動産会社が重宝される理由
購入されるかどうか、ましてや本気かどうかがわからないエンドユーザーとやりとりするよりも、空き家に関してどんなリスクがあったとしても自己責任として処理してくれる不動産会社が重宝されます。不動産会社が買うということは、仲介業務のこともよく理解しているため、簡単にいうと、「話がはやい」のです。会社として、取引をするため、その空き家を内見するといっても、相手もプロのため、その内見に仲介会社が立ち会う必要がありません。鍵を渡して、空き家所有者の方に承諾をいただいた上で、仲介担当者は他の物件に関する業務をしている間に、現地にいって購入するかどうかの判断をしてくれることになります。
エンドユーザーとのやりとりと比べると雲泥の差です。長崎の不動産会社の各担当者は、こういった存在と複数名お付き合いされています。
【長崎】住所と住宅地図と現地の情報のみで「即断即決」
空き家専門の不動産会社にとっては、住所と住宅地図と現地の鍵があれば、判断することができます。また、床下や屋根裏をみるため、内見には多少の時間がかかりますが、その間仲介会社を待たせておく必要もなく、気兼ねなく物件をみることができます。基本的に見にいった日に即断即決です。
「この空き家は買えない」か「⚪️⚪️円で買いたい」のどちらかの回答になります。このスピード感は不動産会社からも頼りにされます。
少なくとも、買うといったら、買います。やっぱりやめたというもなく、確実に買いますし、買わないと伝えれば、買わないことがわかるだけでも担当者としては、貴重な情報になります。次に購入してくれそうな買主に提案することができます。
信頼している担当者不在のまま、内見して大丈夫か?とお思いかもしれません。ご心配ありません。当然、空き家だからといって、1人でみにいっても、物件を壊したり、雑に扱ったりするわけではありません。長崎の不動産会社として取引する上で重要なのは「信用」です。そのようなことをしたとしたら物件情報などは紹介されなくなるでしょう。「紹介」というのはそういう意味でも効果的なのです。
【長崎】所有者の思いを引き継ぐことができる「紹介」
私は長崎では多いと感じるのですが、空き家所有者の方が、査定と販売を依頼する不動産会社の担当者は、「今の家を買った時からのお付き合い」だったり、「中学校が一緒」「高校の同級生」など、お付き合いの長い方が担当されているケースがあります。そういうご担当者の方は、空き家所有者の思いや状況をよく知っています。その思いや、状況や考えを買主に上手に伝えることができる唯一の存在だといってもいいと思います。
そういう方からご紹介いただけるのは、大変嬉しいことです。それと同時に、責任をもって空き家を再生させていくという使命と責任を感じます。
空き家所有者の方が、その長いお付き合いの不動産会社の担当者にお願いしてよかったと思ってもらえるように、空き家を引き取る側としては、即断即決を心がけましょう。
まとめ
長崎の空き家が紹介で買取や引き取りが決まっていく理由をご紹介しました。不動産会社は、買主の方々のことと同じくらい、売主・所有者のことを大切にしています。所有者の気持ちを簡単に考えるような買主には、販売したくないという考えもあるくらいです。空き家を購入する予定の方は、所有者の思いも次につなげていくような気概で取引していただくと、お互いに気持ちよく不動産取引ができると考えています。空き家の情報も多数所有していますので、こういった気概をお持ちで、空き家再生をしていきたいと思っていらっしゃる方は、是非下記よりお問い合わせくださいませ。
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