空き家

【長崎】低廉な空き家等とは?

今回は、低廉な空き家等という言葉の説明をご紹介していきます。2024年7月1日の法改正の伴い、800万円以下の低廉な空き家等の売買の場合、仲介手数料の上限が33万円(税込)になるという記事でご紹介していましたが、言葉の意味を改めて理解して、空き家の売買の理解を深めていきましょう。

 

低廉(ていれん)とは?

 

「低廉(ていれん)」とは、価格や費用が安いこと、または値段が比較的低いことを意味しているそうです。特に商品やサービスの価格が手ごろであることを表現する際に使われる言葉です。不動産の場合でも同様で、価格が安いことを指しています。

低廉の使用例

  1. 低廉な価格:この商品は高品質でありながら、低廉な価格で提供されています。
  2. 低廉な家賃:新しくオープンしたアパートは、駅から近いにもかかわらず、低廉な家賃が魅力です。
  3. 低廉なコスト:新しい製造プロセスを導入することで、製品の低廉なコストを実現しました。

 

上記以外にも、「給料が低い」というときにも低廉を使用します。

他にも安価や廉価という言葉があり、どれも「安い」ということを表現していますが、安いとか、安っぽいとかあまり言われて嬉しくない表現である場合があります。「低廉な空き家」という言葉には一部配慮が含まれているといってもいいでしょう。空き家所有者にとっては、もともと住んでいた実家ということもあり、安いという意味が先行している「安価」とか「廉価」という言葉で表現をするのを避けている印象を受けます。というのも、「低廉」という言葉自体に「価格」や「値段」という意味が含まれていないことが、他の安価や廉価と違ったニュアンスになっている理由です。

 

誰にとって安いのか、という切り口から考えてみます。

・「安価」は主に買い手が主語の場合で、「値段が安い」というニュアンス

・「廉価」は主に売り手が主語の場合で、「さらに値段が安い」というニュアンス

・「低廉」単純に「安い」というニュアンス

 

上記のような考え方になります。

 

低廉な空き家?安価な空き家?廉価な空き家?

 

低廉の意味を理解した上で、低廉な空き家と表現されていると、妙に納得感があります。今は空き家になってしまっていたとしても、以前は人が生活をするために建てられて1代2代にわたって使用してきたという経緯があります。そもそも不動産の価値というのは、需要と供給のバランスで決まることが多いです。査定を出す時も、もちろん公的な数字(固定資産評価額や相続評価額等)を参考にはしますが、必ず実勢価格といって、周辺でどういう物件がいくらで売買されているのかという実態も調査します。人によって、価値が異なることがあるのです。それを空き家でボロボロだからといって、「安価」や「廉価」という表現は、少し伝わり方が異なるのかもしれません。

低廉という言葉は、日本人らしくていい表現だなと感じます。

 

低廉な空き家等が指しているもの

 

ここからは言葉の意味から少しはずれて、今回の法改正でどういったものを指しているのかということをご紹介します。国土交通省が出している「低廉な空き家等」というものは、800万円以下の価額の宅地または建物のことを指しています。使用状態については不問になるため、800万円以下の相続してから誰も住んでいない築40年以上経過している劣化の多い物件も、800万円以下の数ヶ月前に所有者が退去した築20年程度の付属設備含めて劣化が見受けられない物件も同じく「低廉な空き家等」に該当することになります。

仲介手数料の上限を引き上げて、空き家の流通を促進するために、具体的な数字で示したかたちになります。

 

まとめ

 

低廉という言葉の意味から、国土交通省が策定した低廉な空き家等という言葉の定義や意図についてご紹介しました。言葉の意味を理解して、空き家と関わることでまた違った見方ができるかもしれません。今後も空き家の流通と空き家再生に積極的に取り組んでまいります。