空き家維持のリアル 放置は損?知っておくべき隠れたコストと管理の重要性

空き家を所有する際、意外と見過ごされがちなのが「維持コスト」です。空き家の資産価値を保ち、将来的に活用や売却をスムーズに行うためには、電気代や水道代、固定資産税といった直接的なコストに加え、管理の手間や間接的な費用も考慮に入れる必要があります。
では、どんな維持コストがかかるのでしょうか。今回は、空き家を「人が住める状態」に維持するためにかかる具体的なコストと、管理の重要性についてお伝えします。
空き家維持の隠れたコストとは?所有するだけでは済まない現実
空き家は、当然ながら誰も住んでいない状態が続いてしまうので、放置してしまうと家が傷んだり、あるいは家の傷みを発見するのが遅れたりといったリスクが発生します。
資産価値を保ち、いざという時にスムーズに売却できるよう管理するためには、一定のコストがかかることを理解しておく必要があります。ではどんなコストがかかるのでしょうか。
電気・水道代
掃除機の使用や照明の点灯など、メンテナンスを行う上で電気は必要不可欠なもの。一般的な契約(従量電灯)であれば月額3,000円程度を見込む必要があるでしょう。ちなみに長崎の場合、電気の基本料金は月々300~500円程度と安いですが、これは全く使わない場合の金額です。
水道代も基本使用料だけで2,000円前後かかります。使用しないと水道管の劣化や詰まりの原因となるため、半年に一度は通水を行うなど、定期的な管理が望ましいとされています。水道を使う時だけ契約をする方法もありますが、手間がかかりあまり現実的とはいえません。これらの費用は、使っていなくても継続的に発生するランニングコストです。
建物の維持管理費
空き家を維持管理するには定期的に建具の点検や掃除なども必要になります。これらを自分で定期的に通って行う場合は、その移動費やガソリン代、そして何よりも自身の時間がコストになります。
一方遠方に住んでいる場合や、自分で管理する時間がない場合は、空き家管理サービスに依頼することになるでしょう。この場合、月額5,000~10,000円程度の管理費用が発生します。
固定資産税
所有している限り必ず発生するのが固定資産税です。長崎市内の平均的な斜面地の固定資産税は、年間2~4万円強にも上ります。万が一に備えて火災保険に加入するとなれば、年間8万円程度の費用がかかります。これらの費用は、空き家を維持していく上で避けられない出費であり、年間を通じて決して少なくはありません。
価値を保つための維持管理と売却の選択
繰り返しになりますが、空き家を「住める状態」として維持することは、物件の資産価値を保つ上でも非常に重要です。定期的な換気、通水、清掃といった基本的な管理を行うことで、建物の劣化を遅らせ、カビや腐食の発生を防ぐことができます。これらの維持管理を怠り、物件が傷んでしまうと、売却しようとした際に大幅な価格交渉を強いられたり、最悪の場合は買い手がつかなくなったりするリスクが高まるでしょう。適切な手入れをすることで、売却時に数十万円の差が生まれることもあります。
空き家を所有する年数が多ければ多いほど、これらの費用は積み重なり、かなりの費用負担となります。
したがって、もし将来的に利用する予定がないのであれば、これらの維持管理費用と手間を考慮し、空き家を手放すという選択も視野に入れるべきでしょう。
売却することで、継続的な費用負担から解放されるだけでなく、物件の価値が低下する前に現金化できるというメリットもあります。空き家を所有することの意味とコストをしっかりと理解し、最適な選択をするようにしたいものです。
まとめ
今回は空き家維持に関するコストについてお話してきました。空き家状態が長期間続くと、。仮に相続登記などが行われていたとしても、「維持コストを誰が負担するか」といった問題も出てくるでしょう。適切な管理とともに、空き家を手放すかどうか、維持し続けるかどうかの判断も行っていく必要があります。
当社では、長崎市内の空き家を専門的に取り扱い、そこから全国の空き家を減らしていく活動をしており、空き家に関するノウハウがたくさんあります。もちろん、今回のような空き家問題についても、多くのケースを取り扱っています。ご相談やご質問などございましたら、お気軽にご連絡をいただけたらと思います。
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