空き家

長崎の空き家、買取・引き受けエピソード

今回はある空き家の引き受けるまでのエピソードをご紹介します。お問い合わせからそれにいたる経緯、お引き渡しまでの進め方など、空き家所有者様の思いやお考えなどもわかる内容になっていますので、一つの実例としてご覧いただければ幸いです。

 

長崎新聞をみてお問い合わせ

 

長崎新聞にて取材を受けて、2024年9月3日付の「あの人この人」という記事枠で掲載していただきました。それから、9月14日に当社のホームページより、ご子息に入力してもらいながら、インターネットでのお問い合わせをいただくことになりました。

「高齢になり、家は車が入らない場所に立地しているため、維持管理が難しくなってきました。できれば電話でご連絡いただくことは可能でしょうか?よろしくお願いいたします。」というお問い合わせの内容でした。

早速お電話てご連絡をさせていただき、日程調整をおこない、9月18日にご自宅に訪問して、お話を伺うことになりました。

 

高齢になってきて階段がきつくなってきた

 

お伺いした際に、電話では奥様と主にお話ししていたのですが、ご自宅ではご夫婦お2人に直接お話できる状態でしたので、当社の簡単なご説明と引き受けるとしたらどういった進め方になるかなどをご説明いたしました。奥様がその長崎新聞を持ってきてくれて、話をしてくれました。

「ずっと色々とこの家について考えてきて、空き家再生をしている地元の不動産会社にもきてもらってみてもらったが、引き受けできないという風になってしまった。引き受けできないなら、一般の市場に売却に出したいと依頼したのですが、それも断られた。それからどうしようか途方にくれていた。そんなときにたまたま新聞をみて、NagasakiSTをみつけて、問い合わせしたらすぐきてくれた。実は長崎市内の別の場所にもう1軒娘家族に貸している戸建があって、そこに一緒に住んで、この家は手放したいと考えていた。階段が多くて、家に着くまでが年々しんどくなってきている。御社に引き取ってもらえないか?」

ご相談内容を聞いている際中、本当に困っているご様子で、断られてしまうかもしれないという不安なお気持ちが伝わってくるようでした。

当社としては、すで人が住んでいる戸建では、空き家の期間がないため、水道管が詰まったり、雨漏りが進行したり、シロアリ被害があったりなどの懸念事項がないという判断ができましたので、その場で物件をみさせていただくことになりました。

 

汲み取りから本下水に変更していた

 

中をみさせていただき調査を開始しました。室内の各部屋の天井の雨漏り跡を確認したり、床がゆるいところがないか、水回りの状態など、当社がいつも確認しているものを進めていたのですが、トイレが数年以内に入れ替えたようで、非常に綺麗な状態でした。聞くと汲み取りから本下水に変更していたのです。

変更した理由を聞くと、行政から本下水に変更してくれるという話があり、その際に、トイレとその部屋の床と壁をやりかえたということでした。

また、物件自体に離れがあり、昔その場所は学生に貸出していたときもありましたが、数年は空き家になって今は物置になっているということでした。

 

プレ空き家としてのお引き受け

 

天井には雨漏り箇所は見受けられなかったのですが、床が緩いところもありました。ただこのまま住まわれるのもきつくなってしまったということで、怪我をしてしまってからでは遅いということもあり、空き家になってしまう前の、いわゆるプレ空き家として当社でお引き受けすることになりました。

 

お引き渡しまでのご説明

 

お引き渡し日については、娘様ご家族の家に同居する準備を整える必要があったり、もしかしたら別の家を探すことになるかもしれないので、引渡は遅らせた方がいいという判断になり、12月下旬でご契約をいたしました。それまでに、不用品の回収業者さんをご手配したり、当社が引き受けした物件を再生するための現地調査をさせていただくことにもご承諾いただき、1月には工事に入れることになりそうです。

 

近隣からのお問い合わせ対応

 

今回の土地は私道と接道をしていて、その私道の持分は隣地の方の所有になっておりましたので、隣地の方から、不特定な方が今後住むにあたって心配をしているという問い合わせをいただきました。おっしゃる通りです。どんな方が隣に引っ越ししてくるのか、不安になるのは当然のことと思います。

当社としては、どんな方がご入居されるかはわかりませんが、物件にお住まいになられる方には、ご契約書に、近隣の方のご迷惑にならないようにご注意いただく文言を追加したりしながら注意喚起をして対応し、あまりにも一方的に関係が悪くなってしまうようであれば、賃貸借契約を解約するような文言も検討しています。

世代同士共存できるような環境を整備するのも、空き家再生事業に携わるものとして必要なことと考えています。

 

まとめ

 

今回は、お引き受けエピソードをご紹介いたしました。それぞれの事情で、空き家を手放したいという方々がいらっしゃいます。ご自身の状況をあまり抱え込みすぎないように、どうすればいいのか、方向性だけでも決まれば少しご安心いただけると思います。お気軽にご相談いただけたら幸いです。

 

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