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空き家投資、100万円以下で空き家を購入するのはやめた方がいい!?

空き家投資では、空き家を購入してリフォームにより物件を再生して賃貸物件にすることで収益をあげる投資方法です。そのため、購入する空き家が安ければ安いほど、リフォームにかける費用を高くできたり、そもそもの収益効率、いわゆる利回りがあがったりします。しかし、あまりにも安く購入すると、あとでリフォーム代が高くなってしまい、想定している金額で完成しなくなり、目的としていた収益をあげられないということがあります。当社の経験してきた中で、100万円以下で売買をした案件に実際にあった、「やめた方がいい理由」をご紹介いたします。

 

長崎で100万円以下の物件ってどんな物件?

 

長崎で、100万円(税込)以下の空き家というのは、思っているよりボロボロの状態で、そのまま住むのはまず困難な状態です。建物の構造上重要な部分がどこか大きく修繕が必要になってくる可能性があります。

・屋根が劣化していて雨漏りがひどくなっている

・シロアリ被害により、床が抜けそうになっている

・宅内で漏水している

・お湯の配管がない

・風呂場がガス釜で劣化も激しくなっている などなど

水回りの状態をみても、交換が必須の状態のものが、100万円(税込)をきっている傾向にあると感じています。

 

残置物をどかしたらシロアリがまだ生息していた

 

シロアリ被害があるかどうかは、床下をみたり、屋根裏をみたりして、蟻道がないかどうかを確かめたり、生息していないか集音器で音をひろったりすることでシロアリ被害があるのか、あったのかというのは知ることができます。

外観からみてもシロアリの蟻道がなさそうな案件で、残置物でいっぱいになっている物件がありました。価格は土地と建物で20万円(税込)でした。本当であれば、残置物を撤去して調査をしてから購入を検討したいところでしたが、残置物の撤去をするために、70万円(税込)くらいかかるとなり、それならば購入が決まっている状態でないと、残置物撤去の費用負担含めて進めることができないというお話がありました。結果的に、お引き受けすることにして、残置物を売主負担の上で、撤去していただいたのですが、撤去後、多数のシロアリが生息していることがわかり、シロアリ駆除と改めて防蟻処理をおこないました。こちらに40万円(税込)の費用がかかっています。その後、被害内容を確認したところ、2階の床には甚大な被害があり、減築を検討するほどの状況でした。

残置物がある状態での取引の場合は、いくら売買価格が安かったとしても注意が必要です。

 

水回りの設備が使用不可 汲み取り式 バスルームが規格外

 

水回りの設備の劣化が激しい状態で全体的に交換が必要な状況でした。給湯器も15年以上前のものがついていました。お風呂のスペースがそもそも1m×4mほどの細長いスペースしかないもので、天井以外はタイル張りという仕様のものでした。そして、本下水は全面まできているものの、宅内は「汲み取り」の物件を最終的に1万円(税込)で引き受けることになりました。結果的に、リフォームの見積が570万円(税込)となってしまい、想定している収益を見込めるような物件ではなくなってしまいました。

水回りで大きかったのは、汲み取りを本下水に切り替えをする工事と、風呂の仕様変更の工事が大きな割合を占めています。

特に、現代の仕様と著しく異なる間取りやサイズをしている箇所については、現代の仕様に合わせるために費用がその分大きくかかってしまうということを考慮すべきということが分かりました。

 

近隣と土地境界で合意していない

 

物件の状態としては、色々と調査をおこなった結果、懸念材料はありませんでした。20万円(税込)でお引き受けすることになり、工事の見積も300万円(税込)程で出てきましたので、工事を着手していくことになりました。

その工事着手してしばらくしたところで隣家側の水回りの工事をおこなおうとした段階で、隣家の方から、

「土地境界線で前の所有者と話がついていないから、それが解決するまでこれ以上工事をしないでほしい。」というお話をいただきました。工事をストップし、前の所有者に状況確認をとったところ、その前の所有者も、相続で両親から引き継ぎをしたため、住んだこともなく、隣家の方とそういったお話になっていたということは知らなかったというのです。

現在、工事はストップして、話し合いを進めています。キッチン部分がまるまる越境しているので、そこをなくしていただくか、窓を塞いでほしいということだったり、給湯器をとりつける位置を変更してほしいといった要望をいただいております。

長崎では、公図でみた際に1つの地形に、地番がいくつも存在していることがあります。地積測量図の保管などもない場合があり、境界線がはっきりとしていない現況のまま引き受けることになった際には、近隣との申し合わせ事項の有無や近隣に訪問して、直接お話を伺うことで、事前に問題にならないように進めていくことをおすすめします。

 

まとめ

 

今回は、100万円以下の空き家を購入する際は、通常の空き家以上に細かいところを調査した上で検討したほうがいいということと、その事例をご紹介しました。何も調べないまま、ただ単純に安いからといって、物件を購入すると、家賃収入どころか、半永久的に運用できなくなってしまうリスクが発生してしまいます。よく注意して、調べてから購入するようにしましょう。

 

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