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空き家投資でできて、アパート経営・マンション投資じゃできない3つのこと

今回は、不動産投資という大きな枠の中での比較になります。空き家投資にできて、アパート経営やマンション投資じゃできないことがいくつかありますので、3つほどご紹介を進めていければと思います。

 

空き家投資でできて、アパート経営・マンション投資じゃできない3つのこと

 

空き家投資も大枠では不動産投資の一種となりますが、他の不動産投資方法とは違った特徴があるため、そちらをみていきましょう。

1.少額現金購入(損切りができる)

空き家投資にできて、アパート経営・マンション投資じゃできないこととして、最初にあがってくるのは、不動産購入というカテゴリーの中で、比較的少額で空き家投資物件を購入できるということになります。

不動産投資を検討している方の中で、アパート経営では、物件購入価格の1割か2割は現金で購入するということがあります。マンション投資では自己資金をほとんど使わないというのが一般的です。そのアパート経営を始める際に使う自己資金分というのは、仮に購入しようとしているアパートが5,000万円だとしたら、自己資金は500万円か1,000万円ということになります。その自己資金分で空き家投資を始めることができます。金融機関の融資が通るかどうかに関わらず、投資を始めることができるのです。少額で現金購入をすることで、入居が決まっていない状況であっても銀行の返済をする必要がありません。入居を決めること自体に焦ることなく、じっくり戦略立てて進めることができます。

また、最初に始めるにしては、借入をしないで進めることができるということで、最悪の想定をした場合、損切りという選択肢をとることができます。

アパート経営や、マンション投資については、現金でおこなうにしては金額が大きいため、ほとんどの場合が融資を利用します。その融資を利用した場合、土地と建物に「抵当権」という権利が設定されることになります。こちらは、仮に返済が滞ってしまったりなどして、銀行との契約内容に違反した場合など、その金融機関がその物件を差し押さえることができる権利と考えてください。そして、この抵当権は、その金融機関から借りている残高を全て返済することを条件にはずすことができます。裏を返すと、残高を完済できなければ、抵当権をはずすことはできない。ということになります。

空き家投資の場合は、もし入居が決まらなくて、もしくは入居が決まったが売却したいと思った場合、損切りでもいいので、半額で売りたいといって、抵当権がついていないため、自由に売却することができます。そういった意味で、最悪の場合の損切りが実行できるという点がアパートマンション投資じゃできないことになります。

もしアパートマンション投資において、空室が多くなってきて売却をしたくなり、半額でもいいから売ると判断したとしても、残高を下回る金額での売却については、抵当権が抹消できません。借入残高から売却金額を差引した分を、なんと再度自己資金にて補う必要が出てくるのです。あくまでも借入残高を完済しないと、売却がそもそもできないということになります。

最初に不動産投資をする上で、空き家投資というものは、他の投資と比べて、損切りして一旦不動産投資を終わらせることができるということがあるのです。

2.空き家投資特有な出口戦略

不動産投資でもよく、「出口戦略」という言葉を聞かれると思います。最終的にどのくらい保有して、いくらで売って、そのくらいの利益を確定するかということを考える戦略になります。この出口戦略で考えた場合に、空き家投資にはアパートマンション投資じゃできない、特徴的な出口戦略を立てることができます。

・現金買いのため、現金売りがしやすい

一つ上のお話で、少額で現金で購入しているため、抵当権の設定がないということをご紹介しました。まさにその通り売却する金額は自由にオーナーが決めて判断することができます。その中で、購入している価格が、現金で購入しやすい価格帯ということは、売却する際にも現金で売りやすいということになります。

金融広報中央委員会が出している「家計の金融行動に関する世論調【総世帯】(令和3年以降)」では、下記のようなデータがあります。年代別の金融資産を調査した結果、中央値として、20代では120万円、30代では315万円、40代では500万円、50代では700万円、60代では1200万円、となっています。

500万円以上の金融資産を持っているのは、20代から60代で考えた場合、73.4%にものぼります。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査【総世帯】(令和3年以降)」

 出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査【総世帯】(令和3年以降)」

 https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/sosetai/2023/23bunruis001.html

空き家投資では、500万円で投資をスタートすることができます。実に、自分が500万円でスタートした物件を、そのまま500万円で購入できる方が、73.4%いるという考え方も可能です。もちろん全ての方が不動産投資や空き家投資に興味があるわけではありませんが、現金購入の場合で、出口戦略を考える上では知っておきたい統計情報かと思いましたので、共有させていただきました。

・戸建のため、住宅ローンで自己居住用として売却することができる

アパートや投資用のマンションを購入する場合は、「投資用ローン」もしくは「事業用ローン」という融資を受けて購入することになります。ということは当然、売却する際にも、同様の方法で資金を調達して購入していただくことになります。

空き家投資の場合は、投資としては、「投資用ローン」や「事業用ローン」で購入することができることもありますが、ほとんど現金での購入になってきます。しかし、空き家投資で使う物件は戸建になりますので、なんと自己居住用として住宅ローンを使って購入することもできます。投資としてではなく、その空き家の所在する現地の方が、その物件を住宅ローンを使って購入して、住むということです。

実際に弊社の長崎市内の物件でもそういった事例がありました。他の県でも十分可能性としては考えられるものです。

自己居住用として考えた場合は、500万円でローンを組んで、追加で購入者の希望通りのリフォームを500万円かけて、総額1,000万円の融資を組んだとしても、月額の返済額は30,000円程度となるため、借りるより月額の負担が少なく購入することができます。

このように、住宅として売却することができるのは、アパート経営・マンション投資じゃできない出口戦略となります。

3.少額で効率よく節税できる

アパート経営、マンション投資では、建物分の費用の減価償却により、節税をすることができるという考え方があります。その節税の幅については、所有される方の所得の応じて異なるため、ここでの詳細の話をすることはできませんが、少額で効率という点において、空き家投資でおこなう節税については、優れているところがあります。

仮に空き家投資にかける費用が土地に100万円、建物に400万円とした場合、その400万円を、木造の法定耐用年数がきれたものは4年で償却することになりますので、毎年100万円を減価償却として計上できることになります。

かける費用が少額になるため、前述した通り、出口戦略もとりやすくなります。ということは、購入する時期をよく検討していけば、所得税の節税をしていきたいタイミングに購入して、節税が必要ないタイミングで売却するという、売却のタイミングもある程度コントロールできることになります。

節税を検討している方にとっても、使いやすいツールになり得るのが、この空き家投資の特徴のひとつでもあります。

 

まとめ

 

空き家投資にできて、アパート経営・マンション投資じゃできない特徴を3つご紹介いたしました。小回りがきくという言葉で表現するとわかりやすいかもしれませんが、不動産投資を中断、もしくはやめたいといった時にやめやすい。売りたい時に売りやすいなど、不動産の中では流動性が高くなることがあるということも考慮して、ご自身に最適な不動産投資を検討してみてください。

 

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