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空き家投資を始める上で気をつけるべきリスク6選

今回は、不動産投資の中でも、空き家投資というものを進めていく上で気を付けるべきリスクを6つご紹介していきます。投資にはリスクがあるものですが、そういったリスクに対して、どういうリスクなのかということを知っておくことで、どう対処していけばいいかをイメージすることができ、事前にそのリスクを回避することができます。

 

空き家投資とは?

 

空き家投資とは、空き家を購入して、リフォームをおこない、完成後に入居者を募集してその空き家を賃貸することで、不動産収入を得るという投資方法になります。不動産投資の一種として高利回りを追求していく方が取り組むもので、不動産投資が初めての方が最初に空き家投資をおこなっていくのは、難しいとされています。しかし今では、その空き家投資のノウハウを提供していたり、実際に空き家投資をおこなっている投資家の方が台頭してきており、空き家投資関連事業が増え、不動産投資が初めての方でも始めやすいように、環境が整ってきています。その空き家投資の中で成功している方もいれば、なかなか空き家投資を進めることができていない、最初の1歩を踏み出せないという実態もあります。

色々なサービスが提供されていますが、その空き家投資そのものについて理解を深めることで、リスクが想定できるようになり、色々なサービスを受けることなく、自分自身で進めることも可能になってきます。

空き家投資のほとんどが、自分の住んでいるところとは離れている遠方でおこなうということがあります。関東圏にお住まいの方は、囲むようなドーナツエリアで、中部圏であれば、周辺の岐阜や静岡や三重など、関西圏であれば、その周辺ので離れたところなどです。理由は、低価格で高利回りで進めることができるということが、そもそもの空き家投資のメリットであるため、首都圏の空き家ではそこまで抑えた投資金額で進めることができないからです。

そういった特徴を考えた上で、空き家投資のリスクをみていきましょう。

 

空き家投資で気をつけるべきリスク

 

1.空き家の購入方法がわからない、みつからないリスク

空き家投資を進めるためには、1番最初にしなければならないことは、空き家を購入することです。空き家投資の投資家は、購入費用をとにかく抑えたいという要望があります。購入費用を抑えて、利回りを最大限高くしたいからです。予算は100万円をきるもので求めていることがあり、一部の投資家では10万円もしくは0円で物件を購入しようとされています。

そうなるとどういうところで情報を得て購入するべきなのか、ということを考えますが、そのような金額で購入するためには、一筋縄ではいきません。一般的なネットのポータルサイトで掲載されているものから購入するとなると、まずそのような金額では購入できないでしょう。よく長崎の現地の不動産会社から話を聞きますが、現地をみないで、ネットに出ている情報だけで、金額交渉をしてくる。最悪なのは「10件ほど御社の物件にお問い合わせしましたが、この中で10万円で購入できる物件はありますか?」という質問がくること。空き家投資の始めは、そうするしかないことはわかっているが対応している時間はないので後回しにせざるをえないという現状があります。そして、そういった問い合わせが頻発すると、覚えられてしまって、そのエリアで物件購入することが難しくなってしまうということも起きてしまいます。空き家投資については、1番最初の物件購入が重要です。ここは最大のリスクと考えています。なぜなら購入できなければ、始めることすらできないからです。

空き家投資では、投資をおこなうエリアを決めて、情報が自然と入ってくる状態を作る必要があります。こうするためにも、ポータルサイトにのっている物件に手当たり次第問い合わせをして、低い金額を求めることは、やめましょう。

物件を購入するためには、そのエリアの現地に足を運び、不動産会社とアポをとり、実際に現地をみてから、実際に購入可能なラインで買付書を記入するところまでおこなうことです。仮にその買付書が通らなかったとしてもその不動産会社の方には、「真剣に取り組もうとしている姿勢」をみせることができ、そこから「購入するところまでおこなう人」という印象をもっていただくことができ、情報が入ってくるようになります。

2.空き家の状態がわからないリスク

空き家の状態がわからないというリスクがあります。空き家投資を初めて始めようとしている方は必ずといっていいほどこのリスクに遭遇します。実際に空き家を内見しても、その状態を正確に判断することができないということがあります。空き家の状態がわからない状態で購入することは、物件価格と購入諸経費と所有者責任を全て損切りするくらいリスクの高いことになります。空き家の中には、その前の所有者か入居者が自分自身でリフォームやDIYをしていたりするため、見た目はきれいな状態になっていたとしても、そのきれいな状態イコール建物の状態とはならないのです。少なくとも屋根裏や床下の状態、給排水の水道管の状態、電気設備や住宅設備の状態がどのようなことになっているのかということは、把握しておく必要があります。空き家の場合は、水が出る、お湯が出る、電気がつくという、建物であれば当たり前に備えていなければならない設備も疑うことが求められてきます。

この「空き家の状態がわからないリスク」の回避方法としては、リフォーム業者に帯同していただくことです。もしくは、建築士の方に帯同していただくことをおすすめします。もしそういったリフォーム会社や建築士の方で帯同していただく方がいらっしゃらない場合は、有料にはなりますが、全国各地にインスペクションという建物診断をおこなっている業者さんに依頼することをおすすめします。調査費用としては、15万円以内で収まるくらいの予算感になりますが、その物件をエリアとしても価格としても納得している状況で、購入する1歩手前という状況であれば、依頼しても良いと思います。

また、雨漏りとシロアリ被害さえ自分である程度調査できるようにしておけば、根幹をゆるがすようなリスクは防ぐことができます。そうなると、インスペクションでは想定内の調査結果となる可能性が高いため、購入後にリフォームにて大きな費用がかかるということは防ぐことができます。

3.空き家投資の修繕に関するリスク

空き家投資では、購入後、リフォームをおこないます。自分自身でおこなうDIYという方法もありますし、リフォーム業者に依頼するという方法もあります。当然前者の方が費用は安くなり利回りを高く運用できる可能性があることに対して、自分自身の物理的な時間が多くかかってしまうということになりますし、リフォーム業者に依頼すると自分の時間は極力抑えることができますが、DIYでおこなうよりは、金額が高くなるため、利回りもさがってしまうことになります。

どういう工事方法をおこなうかどうかは、その方のスタイルによって異なってきますが、ここでひとつのリスクが生じます。

それは、十分なリフォームがされていない物件の場合、入居者の満足度に関わっていくことに加えて、その後の追加修繕が増えてきてしまうというリスクです。よくDIYにありがちではありますが、内装の表面上をきれいにした工事方法をとっていると、建物の構造上重要なリフォームが見落とされてしまうことがあります。給湯器の製造年数は10年以内かどうか、水道の水圧は十分なものになっているか、電気のスイッチは全て点灯するか、コンセントやスイッチは使える状態になっているかなど、目に見えない重要な設備部分を先に工事しておかないと、入居後の修繕につながることになります。その入居後の修繕を利回りが下がると言って対応しないと、退去につながったり、入居者も言い出せなくて、建物の状況がどんどん悪くなっていったりすることがあります。

中をきれいに「見せる」ということではなく、空き家投資の場合は、生活する上で必要な設備や環境を整備することを考えたリフォームを心がけるようにしましょう。

4.空き家投資の管理上のリスク

空き家投資では、その物件や入居者の管理を、管理会社に任せるということよりも「自主管理」といってご自身で管理するということがあります。管理委託契約書の作成・締結、入居者との連絡のやりとり、家賃の回収など、自主管理にした場合、管理会社と同等のサービスを入居者に提供しようと思うと、それなりにやるべきタスクがあります。もし空き家投資を副業で、本業が会社員と言った場合、なかなか連絡を取り合うことが難しいということもあります。

管理会社に依頼すると、一般的には総賃料の5%(税抜)とされています。家賃が50,000円の場合で、月額2,500円(税抜)となります。

空き家投資は、管理会社でも詳しいところと、そうでないところがあります。マンションやアパートの管理はよくやっているが、戸建はわからないということがあったりします。また、管理会社として1つの場所に10世帯や20世帯の管理案件がまとまっている方が効率が良いため、あまり管理を請け負うことに前向きでない場合があります。そういった前提条件を知っておきつつ、管理を依頼する場合は、現地の管理会社で、かつ空き家戸建の管理に精通しているところに依頼するようにしましょう。

5.空き家投資の賃貸募集時のリスク

空き家を購入して、リフォームをするところまで、順調に進んできて、ここでまた賃貸募集に関するリスクがあります。それは、現地の不動産会社に募集を依頼したり、自分自身アプリなどを利用して、住みたいという人を探すことになりますが、不動産会社に募集を依頼する際には注意すべきことがあります。それは、普通に依頼しても、なかなか案内につながらないというリスクがあります。こちらは、不動産業界全体の話になりますが、賃貸募集をおこなう際には、自社の管理物件から先に入居を決める必要があるという考え方が各会社にはあるということです。その考え方は、正直どの会社にもあります。その中で、自分自身の物件をご紹介いただくように、考えなければなりません。

ひとつの方法として、広告料を他の投資家と比べて高く出していくということです。賃貸仲介会社は、自社の管理物件をおすすめしたいところではありますが、毎月の仲介手数料の売上でも予算をもっています。その予算を達成していくことは、不動産営業として大切なものとされているため、1つの物件をご紹介して、家賃1ヶ月分の報酬をもらうのと、1つの物件をご紹介して、家賃1ヶ月分の報酬+広告料をもらうのとでは、後者の方が優遇される可能性があります。

この不動産会社の仕組みを理解して、事前に募集条件を決めていけば、このリスクは回避できますので、しっかりと作戦をたてて進めていきましょう。

6.空き家投資の入退去(入れ替わり)のリスク

入居者の募集で無事に入居者が決まって、運用の時期に入った後でもリスクは生じます。それは、入居者の退去の際に発生する原状回復工事の請求などの、退去時の精算でトラブルが起きるリスクのことです。退去時の精算において、賃貸借契約書に定めた退去時の精算方法の通りに、入居者に請求しても、納得されなかったりする場合、払われないということがあります。もちろん、契約書に定めた上で、合意していることになっていますので、請求した金額を払っていただくまで、追求することはできますが、裁判をおこすという手間と費用を考えると、オーナーが損切りするということをよくみてきました。入れ替わりの際には注意が必要です。

このリスクに対しては、この賃貸借契約書の特約に、もれなく退去時の精算についてのルールを定めておいた上で、募集時や入居時に最初に敷引として預かっておくことで多少のリスクは回避することができます。敷金というものは返還する性質があるものですが、敷引としておくことで返還する性質がなくなります。

戸建のクリーニング費用は、㎡あたり1,300円前後が一般的ですが、あらかじめその金額を契約書に明記しておきつつ、敷引として家賃2ヶ月分をとっておけば、長崎の場合は特に十分費用にあてることができます。

もちろん請求したものを払っていただくことが大切ですが、払っていただけなくても投資家として損をしないような整備をしておくようにしましょう。

 

まとめ

 

空き家投資を始める上で、気をつけるべきリスク6選をご紹介いたしました。不動産投資にはリスクがあります。また空き家投資の中にももちろん特有のリスクがあります。そのリスクを正しく理解して、準備をしておくことで、回避することができるということを知っておいていただければと思います。

空き家投資で安定して収入を得ていくために準備することは、上記以外にもたくさんありますので、今後も当社の方で、空き家投資に関して情報発信をしてまいります。

 

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