空き家

長崎の空き家再生投資に潜む大きな3つの誤解

長崎の空き家を再生後、不動産投資として運用することに対するイメージとして、大きな誤解を聞くようになりました。不動産投資を始めようとしている方だったり、すでにマンション投資やアパート経営を初めてはいるものの、まだ空き家再生投資などの築古戸建投資をしていないという方からお話を伺うと、空き家再生投資に対して、「それは誤解だな」という解釈・イメージがありましたので、ご紹介していきます。空き家再生投資について誤解が解けたらいいなと思っています。

 

空き家再生投資とは?

 

別の呼び方で、「築古戸建投資」「古家投資」と呼んだりします。低廉な空き家等の中でも、主に戸建を取り扱います。その戸建をリフォームをしたり、DIYといって自分自身で工事をしたりして、建物を住める状態以上のものとして完成させて、入居者を募集して、家賃収入を得る投資方法です。長崎の空き家でも盛んにおこなわれていますが、実際に自分自身で空き家再生投資をしたことがない方にとっては、経験よりもイメージが先行してしまうことがあるようです。土地と建物の取得価格を抑えられるということで、現金があればすぐに始められるという点や、金額が低く建物も低廉な状態であることが多いため、銀行の融資を受けることが難しい点など、他の不動産投資方法とは少し特徴が異なります。

 

長崎の空き家再生投資への誤解

 

不動産投資のイメージですが、地主の方が、アパート経営をしたりマンションを1棟経営したりするのに加えて、サラリーマンが、ワンルームマンション投資や新築アパート経営などをすることが定着してきております。比較的きれいな築浅のマンションやアパートを所有して、サラリーマン所得と不動産所得を合算、減価償却等で経費を計上し、節税対策として運用するというイメージも定着してきているのではないでしょうか。政令指定都市に勤めているの高所得のサラリーマンが、政令指定都市にマンションやアパートを銀行融資を受けて購入するという、一種のステータスの要素もあるため、地方都市では、あまり不動産投資ができるという印象を持っていない方が多いと聞きます。その地方都市で、「ステータス」という言葉とはかけ離れた、もともと空き家だったボロボロの戸建をリフォームしたとしても、何か問題があるのではないか、という一種の警戒をしてしまうことも頷くことができます。空き家でボロボロだったとしても、築年数が40年から50年の建物で、柱や梁は太くて強い建材などが採用されていて、年数が経っても倒れていないという、ある種の「実績」を持っています。また、長崎の空き家再生投資についても同様に、斜面地に経っている建物が、築年数40年から50年経っても建ち続けているというのは、長崎という土地柄の技術が集まっているということでもあります。

そういった色々な情報がある中、他の地方都市での空き家再生投資とも共通する誤解もあると思いますが、当社が関わらせていただいているオーナーのご意見や、お問い合わせいただいたお客様のご意見などを参考に、長崎の空き家再生投資における大きな誤解というものを3つご紹介します。

①入居が決まりにくい

1番よく出るお話に、「入居が決まりにくい」というイメージをお持ちと聞きます。日本全体として、少子高齢化、人口が首都圏に集中しているということが発生していることで、地方都市は人口がどんどん減っていき、マンションやアパートはまだまだ建設が進んでいくという状況から考えると、「供給過多」と判断してしまうこともあると思います。長崎については、近年若年層、特に大学を卒業した若者が県外に就職するという動きが活発になってきております。長崎で働きたくても企業が少なく就職が難しいということも手伝って、福岡や東京など県外に就職することになっています。そういった事情を考えても、確かに入居が決まりにくくなってしまうのかな?と疑問に思うこともあるでしょう。

しかし、このイメージについては、はっきりとした根拠はありません。

そもそも空き家再生投資で取り扱う物件は「戸建」が主流です。全国の賃貸物件をみても、インターネットで賃貸募集されているのは圧倒的にアパートやマンションになります。戸建賃貸の実例や供給棟数というのもいまだにはっきりとしたデータがないのです。

それもそのはずです。戸建というのは、アパートマンションと違って、「住宅ローン」で購入します。アパートマンションは、「事業用ローン」といって、不動産事業の事業計画に基づいて融資がおこなわれます。逆に、事業用のローンで戸建を購入するというのは、ほとんど考えられません。銀行側から考えても、戸建賃貸を事業用のローンで組むという計画では、事業性規模が低い(融資する金額が数百万などである)ことに加えて、ローン商品としては、金利を高くして、利息を得ようにも、それでは事業が成立しません。そうすると収益もとりづらく、金融機関が商品として取り組むというのは構造上考えづらいです。

また、戸建を賃貸にするタイミングというのが、ほとんどの場合が、住宅ローンを完済して、自分が退去する時になります。

そうなってくると、その退去する時まで、所有者が住んでいるという状況になるため、戸建賃貸に関するデータが揃わないのも納得ができます。

当社の実績で考えていくと、現在長崎にて60棟以上の低廉な空き家等を再生していますが、入居率は90%以上です。戸建については、現地の賃貸仲介業者のみなさまからも、新規で開発する案件があれば教えて欲しいと前のめりなご意見もいただきますし、募集にだして、5万円前後でしたら3ヶ月以内には何かしらの申込が入るという現状もみてきました。どういった方が住まわれるのかというところもみていくと、引越の理由が、「手狭になったから」「今の家賃が高いから」「子供の学校区を◯◯にしたい」「今の家を解体するため、立ち退きで」などライフスタイルや環境の変化で引っ越しを検討されている方が多い印象です。県外からの転勤で家を探しているというパターンは、長崎では意外と少ないのかもしれません。面白いことに、ライフスタイルの変化があったとしても、その半分くらいの方が、今住んでいるところの近くで探しているという状況です。内需といったら表現が違うかもしれませんが、長崎市内での転居が増えている印象です。

また、戸建賃貸で募集している棟数が、同じ町でも、5棟以上募集していることが少ないです。つまりは、競合はそこまで多くないということです。長崎市内でも、適切な工事内容で、階段で上がりすぎない場所の戸建賃貸は、そこまで入居が決まるまで時間がかからないです。

しかし、これは長崎市内で活動しているからわかることで、実際にご自身でやってみないと、この誤解は解けないかもしれません。

誤解を解くためには、当社が空き家の管理棟数を増やし、実績をお示しする以外ないのかもしれません。

②不動産価値を維持できない 価値がゼロになる

不動産価値を維持できない。資産価値が下落してゼロになる。というイメージについても誤解があると感じています。大変表現が難しいのですが、低廉な空き家自体、資産価値が現状から下がることは考えづらいと思ってください。すでに数十万円で取引されたり、200万円前後で取引されている低廉な空き家の固定資産税評価額をみると、ゼロにはならないのですが、土地も建物も非常に低い数値になっています。納税額で目安で年間4万円程度です。それは、土地については、斜面地にある以上、車がいかないので、それだけで価値が大きく下がっているということもありますし、更地にして土地だけで考えたとしても、再建築する際のコストがあがるため、建築需要がないという状況から価値が大きくなることもありません。また、建物については、法定耐用年数を経過しており、建物の価値はほとんどありません。不動産価値は、需要と供給に左右されます。積算評価をする場合のこういった評価額が低い状態で、大幅に資産価値が上がることはありません。

そもそも価値が低いところから、さらに下がることが考えられないとしたら、積算評価法での資産価値は維持できていると言えます。

もう一つの資産価値の考え方が、収益還元法です。その空き家が、どのくらい収益を生み出してくれるのかという評価方法です。一般的に利回りでの評価となります。例えば、空き家再生投資に、物件取得からリフォーム工事をして、500万円(税抜)を投資したとします。その物件が家賃5万円(非課税)で運用できていたとしたら、利回12%(税抜)の物件として運用できていることになります。この場合、資産価値を維持するために最も重要な状況というのは、入居者が決まっていて家賃が発生しているという状況です。入居者が5万円で入居しているというだけで、利回12%で計算した場合は、500万円の価値があるということになります。これは、評価額とは関係なく、市場価格としての資産価値になります。例えば、同じ物件を利回15%として売却を出そうと思うと、400万円という販売価格になるということです。

この考え方が定着すると、不動産価値が維持できていると実感することができます。

空き家再生投資、築古戸建投資については、古い物件だから価値が下がる、ゼロになるというのは大きな誤解になります。かけた費用と決まった家賃収入で評価が決まりますので、逆に、市場で同様の投資物件がどのくらいの利回りで取引されているのかを調べれば、空き家再生投資にかけられるコストがわかるということになります。実績を確認しながらできる投資という意味では、非常に固く進められるのではないかと思います。

③物件の管理がしにくい

3つめの誤解としては、物件の管理がしにくいという誤解です。みなさんアパートやマンションのイメージがあるため、そう思うのも無理はありません。

物件の管理というのは、地方の空き家再生投資の場合は、特に物理的な問題がイメージと結びついてくるところかと思います。「物件や入居者さんに何かがあってもすぐにいくことができない」という物理的な距離感が弊害になっているように感じますが、基本的には管理会社にお任せいただくことをおすすめしています。管理会社に依頼しておくと、入居者さんとのやりとりや、家賃の回収やなど、全てオーナーの代わりに対応してくれます。物件を所有しても直接入居者さんと会ったり電話をしたりという手間も発生しないのです。

そういったイメージとは逆に、実は空き家再生投資、物件管理がしやすいと言われています。まず、マンションやアパートと違って、共用部がありません。土地の範囲内で、入居者さんに全ての使用権利があります。不特定多数が行き来するような場所がないのです。そのため、そういった土地の庭木などの剪定等のメンテナンスについても、賃貸借契約書の特約に定めるなどして、入居者さんに一任できます。仮に入居者さんで対応しきれない場合は、管理会社に連絡がかかってきます。そこで伐採するかどうかという判断を、オーナーに確認をとりますが、費用も数万円で対処できるため、大きな費用がかかることも考えづらいです。空き家は人が住むと、不具合を起こす箇所が極端に少なくなります。気をつけるべき点は、屋根からの雨漏り、シロアリ被害、給湯器の交換くらいです。雨漏りも住んでいれば気付けますし、早めに対処すれば数万円で復旧可能です。シロアリも室内にいたら、驚いてすぐにご連絡いただけますし、残すは給湯器の交換くらいです。最初の工事の段階で給湯器を交換していれば、15年程度は使用できる想定になっていますので、しばらくは壊れる心配はありません。

管理会社に依頼すると費用がかかると思われますが、相場は家賃の5%(税抜)となっています。家賃50,000円の場合、月額2,500円(税抜)を送金家賃から差引して送金いたします。支払の手間もなくなるため、管理会社に依頼すれば、管理しにくいということもなくなります。

 

まとめ

 

空き家再生投資に潜む大きな3つの誤解を紹介しました。離れているからといって、不動産投資ができないということではありません。購入される前の方がよくご心配になられて、「すぐに現地にいけないと不安」とおっしゃいますが、購入された後は、1年間物件を見にこられることがないということもたくさんあります。「意外と」現地に行かなければならないことというのはそこまで発生しないのです。大切なのは、投資のことがわかっている信頼できる管理会社に任せること。上記のような誤解を、誤解だったと思わせてくれるような会社と取引ができるかというところかと思います。

当社では、代表と社員を含め75%が、自身でも空き家再生投資をおこなっています。県外の方でも安心して空き家再生投資をおこなえるようサポートすることが可能となっております。空き家再生投資について、ご相談やご質問などございましたら、お気軽にご連絡をいただけたらと思います。ご連絡お待ちしております。

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