【空き家長崎】床下、屋根裏を確認する方法と注意点
今回は、当社が空き家の状態を確認する際に、床下と屋根裏を確認するようにしているのですが、その方法と何を確認しているのかということをご紹介していきます。床下をみた場合、どういったところを確認するのか、屋根裏をみた際にはどこを注意してみていくのかということを紹介していくので、自分で物件調査をする際、またはその空き家が遠方だった場合に現地の協力者に確認を依頼する際にも必要な知識になります。
【空き家長崎】床下の状態を確認する方法と注意点
床下の状態を確認するためには、床下を目視できるようにどこからか入る必要があります。現代の建物や、空き家の物件には「床下点検口」といって、床下を点検するための開口が空いていて、それがあれば、そこから床下を確認することができます。また、そういった床下点検口がない場合は、畳の部屋の畳を持ち上げて、その下の野地板(のじいた)を外せばそこから先が床下になります。野地板はそのまま置いてある場合と、釘でとめてある場合があるため、釘でとめてある場合は、その釘をはずさないといけないため、ハンマーやバールといった工具が必要になります。
【空き家長崎】床下点検口の例
【空き家長崎】畳から野地板をはがして、床下がみえている状態
床下について、目視でわかる点として、「湿気」になります。床下の土が湿っていると、普段から風通しが悪い床下と判断することができます。前日も晴れていて、調査当日も晴れていた場合は、湿っていることはほとんどありませんが、崖下の物件などで崖側に湿気が逃げられないような状況になると、湿気が床下に溜まります。その場合どういった問題が起きるかというと、カビの発生と、床下の木材が水腐れ等を引き起こすなどして、建物全体の強度が低くなってしまうという問題が発生するリスクがあります。床下の通気口を設けたり、その通気口にファンをまわして喚起を促すこともできるため、そういった湿気を取り除くことを検討する必要が出てくるでしょう。
【空き家長崎】雨の次の日に床下がまったく乾いてない状態。湿気がすごく、蚊が大量発生していました。
また、床下をみた際には、シロアリ被害も確認します。シロアリ被害がありそうかどうかは、「蟻道(ぎどう)」と呼ばれるシロアリが木材等を食べた食べかすなどが道となって、シロアリが生息していた形跡として残ります。この蟻道があった場合は、どこまで広がっているのかということと、周辺の木材を工具等でコンコンと軽く叩いてみてください。明らかに通常の木材を違う音がでるようだったり、中がスカスカのような軽い音が出るようであれば、シロアリ被害があることがわかります。
【空き家長崎】写真中央部の少し上に蟻道(ぎどう)があります。それ以外は綺麗な床下でした。
【空き家長崎】屋根裏の状態を確認する方法と注意点
屋根裏については、和室の押入れの天井が一部のせているだけになっていることが多く、そういったところから屋根裏の状況を確認します。押し入れにのる際には、足をかけた時に、ぬけてしまわないか状態を確認しながら登るようにしましょう。
【空き家長崎】押入の天井は5mmくらいの板があるだけでずらすと屋根裏がみえます。
屋根裏はライトを照らしてその点検口からみえる範囲はすべて確認します。360度みるようにしましょう。屋根裏で注意してみるところは、雨漏りあとがないか、シロアリ被害がないかを確認します。雨漏りすでにあった場合、雨漏り跡については、室内にいる時に天井に出てきているので、すぐわかります。その雨漏りの跡があったところの真上の屋根裏はできる限り確認するようにしましょう。雨漏り跡があった場合は、屋根を修繕しない限りは、また雨がふれば雨漏りしてくるため、早急に対処する必要があります。雨漏りがひどくなると、雨で水腐れをして、天井が落ちて、廃墟のようになってしまうため、空き家再生ができなくなる可能性が高まります。以前の記事に、雨漏りをしているのにそのままにしているとどうなってしまうのかの写真が掲載されていますので併せてご覧ください。
シロアリ被害については、本記事の床下でもご紹介の通り、蟻道があるかどうかを確認します。特に梁にシロアリ被害があった場合、建物を再生できないかもしれません。よく確認する必要があります。
【空き家長崎】シロアリ被害にあい、梁が食べられてしまい柱がずれています
【空き家長崎】シロアリ被害や雨漏りがないきれいな屋根裏の例
屋根裏は特に、雨漏りとシロアリ被害と重要な確認事項がありますので、可能な限り確認した方がいいです。屋根裏については、押し入れにしまっている布団や荷物がなくなっていれば、比較的簡単に確認することができます。多少面倒ではありますが、その空き家をどうするかまだ決まっていない段階で建物が急速に老朽化してしまうのか、しばらくは問題ないのかがわかるので、重要な調査になります。
まとめ
一見何の問題もなさそうな空き家だったとしても、床下と屋根裏の状況次第で、今すぐに解体した方がいいということにもなりかねません。現状を把握するという意味で、ぜひご紹介したことを実践してみてください。長崎空き家の場合は、工具の貸し出しも可能です。お気軽にお声掛けくださいませ。