空き家

【空き家】長崎市内の空き家に関するデータ

今回は、長崎市内の空き家に関するデータをいくつかご紹介いたします。空き家の長崎市内におけるデータは、色々なところが出しています。その情報をまとめて、長崎市内の空き家を考えるきっかけになればと思います。主に下記URLの情報を参考に、抜粋して記載していきます。

 

総務省

令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果

 

国土交通省

空き家政策の現状と課題及び検討の方向性 国土交通省 住宅局 令和4年10月

 

長崎県の空き家率

 

ここで簡単に言葉のおさらいですが、空き家といっても2種類あります。賃貸・売却用で一時的な空き家になっているものや、2次的空き家(別荘など)という利用している時期以外が空き家の場合もあります。総務省の言葉で「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」というのが、現状で問題になっている空き家になります。それぞれエリアにある住宅すべての総数を「総住宅数」としています。その「総住宅数」のなかで、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」の割合を出すと、その空き家の率がでてきます。

長崎県内で総住宅数は65万戸。2018年と比べて1万戸減っています。

長崎県の空き家率

注)総務省 令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計結果より

 

そこで次に、空き家率に関して、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」の割合をみていくと9.9%ということになり、2018年の8.7%から1.2%もあがっていることにあります。近隣の県と比較すると、佐賀県は、7.6%から7.7%に、熊本県は、7.9%から7.7%にと、空き家率は微増微減という状況のため、1%以上変化があるのは大きいと感じます。佐賀県は平地が多く空き家の再利用がしやすいという仮説もたてられますし、熊本県については、某半導体メーカーの進出により、空き家活用がなされていったという仮説もたちます。九州で1%以上の空き家率増加がみられるのは、長崎県と鹿児島県という結果になりました。

長崎県の空き家率2

注)総務省 令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計結果より

 

国土交通省の資料データ

 

2018年時点で「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は349万戸になっており、これが2030年にはこのままいくと470万戸にのぼると推計されています。

住生活基本計画によれば、目標として400万戸に抑えようということで、70万戸の抑制を目指します。

国土交通省の資料データ

注)空き家政策の現状と課題及び検討の方向性 国土交通省 住宅局 令和4年10月

 

それらの抑制の方法の一環として、流通させることを目的とした法案が前回の記事にも書きましたが、低廉な空き家の仲介手数料の上限引き上げという策になります。https://nagasakist.jp/blog/101

それ以外にも、国土交通省の資料によると、譲渡所得の特別控除の特例や固定資産税の特例、また、流通部門においては、空き家を取得しやすくする金融機関と連動した支援や、買取再販事業がしやすくなるよう、不動産取得税や登録免許税の特例の検討なども盛り込まれています。こういった具体的な手段にまで表現しているところをみて、さらに空き家問題が深刻化していて、国としても解決の方向に進めていきたいということの意思を感じ取ることができる内容になっています。

 

空き家を長崎市内で減らすには。

 

空き家に関わる事業をしている方々は多くいることは事実ですが、収益物件として運用することはあっても一人一人が個人投資家であることもあり、多くの空き家を減らせているかというとまだまだなところがあると思っています。やはり住宅用として販売できることが、空き家を減らす鍵になっていると当社は考えています。現時点では、住宅用としてリフォームをおこない、住宅ローンで居住していただくような物件を供給している企業はあまり多くありません。理由は、資金力が必要ということと、まだ市場として、新築と比較したときに、価格優位性や利便性にて、空き家再生物件が選ばれるような立ち位置になっていません。リフォーム代が新築より高くなってしまうこともあります。空き家で流通していない物件については、長崎市内において階段や斜面地の立地であることが多いため、新築などで土地を造成したりして駐車場が敷地内にあり、道路づけがいい物件と比較すると利便性に欠けるところがでてきてしまいます。そうすると、室内の空間をデザインや機能面で工夫して優位性を出すなど、工夫が必要になってきます。その物件がいつ売れるかどうかがまだ不透明な段階で、そのデザインや機能面を充実させて、新築と比較して販売していくという資金力が備わっていく、またはそういった企業が増えていくことで、空き家再生が進んでいくと考えています。

 

まとめ

 

今回は、空き家に関するデータを用いて、少しふみこんで色々と紹介させていただきました。総務省と国土交通省の出されている資料は大変興味深くいつもことあるごとに拝見しておりますが、大変重要なことがかかれているため、もしご興味があればみてみてください。