空き家

長崎の実家が空き家になりそう… 親と意見が合わないときの現実と対処法

はじめに

長崎で増えている「空き家になる前の悩み」

年末年始やお盆の帰省で、久しぶりに実家に戻ったとき。

親の年齢による体力の衰えや、階段の上り下りがつらそうな様子を見て、
「これから先、どうなるんだろう」「この家は、どうしよう」と感じたことはありませんか?

斜面地の多い長崎市では、買い物など生活面を考えても、親の住まいへの不安がつきまといがちです。そのため、すでに空き家になってからだけでなく、「今は住んでいるけれど、将来的には誰も住まなくなりそう」という“プレ空き家”の段階での相談が年々増えているのも、長崎の不動産事情の特徴です。

とはいえ、家やお金の話になると「揉める」のが親子というもの。
せっかく年に一度の集まりなのに、ケンカで終わってしまったという話もよく耳にします。


そこで本記事では、実家の将来について親子で話し合うとき、整理したいポイントや進め方のヒントをご紹介します。

1.なぜ親と子で話がかみ合わないのか

「歳をとってきて、生活に不便を感じるようになった」

「足腰に不調が出てきた親が、このまま住み続けるのは難しそう」

親世代の不安と、それを心配する子世代の気持ち。

お互いに「どうにかしなければ」という思いは同じです。

それでも、いざ話を始めると意見が合わず、前に進めなくなることがあります。


これまでたくさんのご家族を見てきましたが、話が進まない大きな理由のひとつは、親世代と子世代で、「家」に対する見方が根本的に違うことにあります。

親世代にとって実家は、苦労して建てた家であったり、代々受け継いできた財産であったり、愛着や思い入れが詰まった場所です。
古くても、多少不便でも、簡単に手放すという発想になりにくいのは自然なことと言えるでしょう。

長年慣れ親しんだ場所を離れて暮らす想像がつかず、不安を感じていることも少なくありません。

 

一方で子世代は、少し先にある現実を見ています。

特に、実家を離れて暮らしている場合、「このまま住み続けて、怪我をしたり暮らしがおぼつかなくなったり……何かあったらどうしよう」という親の生活面を心配する気持ちが募ります。

それとともに、空き家になった場合の防犯・防災などの管理面や、固定資産税や修繕費の金銭面の負担について、誰がどう担っていくかの不安を感じているものです。

この差を認識せず、いきなり子どもが、「この家、どうするの?」と判断を迫ってしまうと、「そんな簡単に決められることではない」などと、親は戸惑ってしまいます。
また、そもそも自分や配偶者が動けなくなったり、亡くなったりすることを前提とした話です。人によってはあまり良い気はせず、話を逸らしたり、「縁起でもない」と感情的になったりして、余計に親子で衝突してしまうことも少なくありません。

 

 

2.話し合いを先送りすると起こりやすい問題

子どもにとっても財産や相続の話は、なかなかしづらいもの。
「今はまだなんとかやっていけている」「その時になったら考えよう」

そうして時間が過ぎていくと、ある日突然、状況が大きく変わることもあります。

 

たとえば、親の急なケガや病気をきっかけに、長期入院や施設への入居が決まり、そのまま“誰も住んでいない家”になってしまう。そんなケースは、決して珍しくありません。

実際、家の状態をよく把握していない親族の方が、「何から手をつけていいのか分からないんです」と、慌てて相談に来られることもあります。

 

また、人が住まなくなった家は、想像以上に早く傷みます。

管理が行き届かない空き家では、

 

・草木が生い茂り近隣トラブルになる

・郵便物が溜まり防犯リスクが高まる

・湿気や雨漏りで建物の劣化が急速に進む

 

といった問題が起こりやすくなります。

特に、子世代が遠方に住んでいる場合は注意が必要です。

頻繁に帰れない中で、近くに住む親族に管理を頼りきりになってしまい、負担の偏りから関係がぎくしゃくすることもあるのです。

 

そして、時間が経つほど、修繕費がかさむ傾向もあるため、完全に空き家になってから相談に来た方からは、「もっと早く動いていればよかった」という声をよく耳にします。

また、将来的に相続が発生して共有名義になった場合、相続人たち全員と連絡が取りづらかったり、意見が合わなかったりして意思決定が難しくなることもあります。

 

親が元気に住んでいる今のうちが、実は選択肢が広く、最も動きやすいタイミングなのです。

 

 

3.実家をどうするか決める前に整理しておきたい3つのポイント

では、具体的にどう動くか。
重要なのは、すぐに実家を「売る・貸す・残す」といった結論を出すことではありません。

まずは、次の3つを整理することで、優先順位や方向性を検討しやすくしましょう。

 

①家の現実的な状況

・築年数や建物の状態

・土地の利用制限などの立地条件

・固定資産税や維持費の金額

・火災保険の加入状況

 

所有者以外の方が相談に来られるケースでは、認識していた内容と実態や公的な記録が一致していないことも多くあります。

事実を正確に把握するだけでも、漠然とした不安が整理できます。

 

②親の希望

・今後も住み続けたいのか

・住み替えを視野に入れているのか

・家をどういう形で残したいのか

気持ちや考えを共有することで、今後の方針を具体的に話しやすくなります。

 

③子世代が現実的に関われる範囲

・管理にどの程度関われるのか

・金銭的な負担はどこまで可能か

・将来的に住む可能性はあるのか

 

「できること」と「できないこと」を明確にすることは、責任や負担の偏りを防ぐことにつながります。

また、将来的に売却する可能性があるなら、今の市場価値を一度把握しておくことも有効です。売らないという選択をするにしても、相場感を知っておくことで判断の軸ができます。

 

 

4.前向きに進めるための現実的なヒント

親子だけで話すと感情が先に立ってしまう場合、第三者の視点を入れることも有効です。


たとえば、不動産会社は「売るときに相談するところ」と思われがちですが、相談することで

・現在の建物状態の確認

・市場価値の目安

・売却・賃貸・再生などの選択肢

・法令や地域の条例や制度
といった情報を整理して、地域の事情や実務に即したアドバイスを受けることができます。

特に、長崎のように特徴的な地形のエリアは、地元の不動産事情に詳しい不動産会社が多くの情報を持っています。

不動産会社を交えて話をすることは、親世代にとって、自分の家を客観的に見直すきっかけになりやすく、子世代も漠然とした不安を言葉にしやすくなるメリットがあります。

 

 

まとめ:結論を急がず、できることから

何もしないまま時間が過ぎてしまうと、結果的に負担を最も大きくしてしまう場合もあります。

「いつか実家が空き家になるかもしれない」

そう感じたタイミングで動き始めることは、将来の後悔や負担を減らす第一歩になります。

とはいえ、焦って結論を出す必要はありません。

「早くどうにかしなければ」と、気負って話し合いを始めると、思わぬ衝突が起きてしまうこともあるからです。

まずは、親子でお互いの心配事や、不安な気持ちを共有してみましょう。
そして、「まだ住んでいる今のうち」に、余裕を持って考えの整理や、情報収集を始めることは、選択肢を残すことにつながります。

 

当社では長崎の地域事情を踏まえながら、空き家の再生や活用のご提案を行っています。

「長崎の実家、どうしよう?」と迷ったら、ぜひ相談ください。