空き家

【長崎版】築古戸建を高利回りで再生するための戦略

不動産投資の選択肢として、地方都市の築古戸建が注目されています。

その理由は、近年の空き家の増加で、土地付き一戸建てが驚くほど安く手に入るケースが多いからです。


特に、私たちが拠点とする長崎市には、地形や街並みの特性から、築古戸建も再生のためのリフォーム次第で安定した家賃収入を得られる物件がまだ多く存在しています。

 

この記事では、実際の事例や数字を交えながら、長崎の築古戸建を再生し「利回り10%超」を実現するための戦略を解説します。

 

長崎の築古市場が投資家に注目される理由

 

長崎市は全国的に見ても斜面地が多く、車が入れない細道や階段に囲まれた住宅地が数多くあります。そのため、一見すると「不便そう」「買い手がつかない」と思われがちです。しかし実は、こうした立地の築古戸建にこそ高利回り投資のチャンスが眠っているのです。

 

たとえば、長崎市内中心部から少し離れたエリアでは、築40年を超える戸建が土地込みで200万円〜400万円台で売り出されていることも珍しくありません。リフォームをしっかり施せば、月5〜7万円の家賃で賃貸できるケースもあり、「利回り10%超」を狙うことは十分に可能なのです。

 

加えて、長崎は大学・病院・造船所など勤務先が集中するエリアが点在しており、単身者や若いファミリー層の賃貸需要が安定的にあります。

「安く仕入れて、丁寧に直して貸す」築古戸建投資には、このようなシンプルな戦略が非常に有効で、長崎の空き家はまさに狙い目と言えるでしょう。

 

築古再生で利回り10%超を出すには?


そうとはいえ、「古い家をリフォームして貸せば儲かる」という単純な話でもありません。築古戸建の再生では、“費用をかけるポイント”と“費用を抑えるポイント”の見極めがカギになります。

特に重視すべきは「構造」と「水まわり」です。

長崎のように雨が多い地域の築古戸建は、シロアリや雨漏りの影響で構造部分が劣化していることがあります。柱や梁、基礎などの点検や改修を怠ると、入居後のトラブルやクレーム、大きな出費が発生することもあるので、注意が必要です。


また、キッチンや浴室、トイレの清潔感、使いやすさは、賃貸住宅において重視されるポイントです。毎日の暮らしに欠かせない設備は抜かりなく整える必要があります。「追い焚き機能がある」「エアコンが新品」など、ちょっとした要素が入居の決め手となり入居率を左右します。「借り手」のニーズを丁寧にリサーチし、コストをかける箇所を絞り込みましょう。

 

一方、内装のデザインや壁紙はシンプルで清潔感があれば十分です。最近では、入居者自身が壁紙の張り替えや塗装など自由に行える「DIY可能物件」も人気があります。内装工事を最低限にとどめて「余白」を残しておくことも、付加価値になり得るのです。


安全性と生活に欠かせない電気、ガス、水道などの設備の整備にはしっかりと費用をかけつつ、コストを抑えて見栄えを整えることが、利回りを高めるコツです。

 

再生費用と家賃設定の黄金比


利回りを決めるのは再生コストと家賃設定、つまり「いくらで直して」「いくらで貸すか」です。

このバランスを見極めることが、築古戸建投資を成功へ導く重要なポイントです。ここを見誤ると、赤字になってしまうこともあります。
では、築古戸建を高利回りで再生するには、具体的にどのような割合で設定すればよいか。
おおよその目安として、再生にかける費用は「月々の家賃の50倍程度」です。

利回りの計算式は、以下のとおりです。

(年間収益 ÷ 投資額)× 100 = 利回り(%)

一般的に、総投資額(土地建物の購入費用+再生費用)に対して年間家賃収入が10%以上あれば、十分に魅力的な投資といえます。

たとえば、築古戸建を300万円で購入し、250万円で改修した場合、投資総額は550万円です。その物件を月6万円で貸せれば、年間72万円の収益が得られますので、単純計算で利回りは「約13%」になります。

(72万円 ÷ 550万円)× 100 = 13%


ただし、長崎市では斜面地と平面地、交通の便などエリアによって家賃相場は大きく異なります。

物件を取得する際には、近隣相場を調べ、設備の充実度に応じて現実的な賃料設定を心がけましょう。家賃を高く設定しすぎると、空室期間が長くなり、結果的に収益を下げてしまう場合があります。


購入価格が極端に安い場合も、注意が必要です。建物の状態によっては改修に想定以上に費用がかかることもあるからです。
たとえば、汲み取り式トイレの排水方式を変更する工事はかなり高額です。購入前に現地を見て、物件や設備の状態を入念に調査することをおすすめします。

 

施工業者・管理会社選びのポイント

 

築古戸建の再生の代表的な失敗例は、「安い見積もりに飛びついてしまう」ケースです。その場合、構造部分などには手を加えず、壁や天井など目に見える表面だけのリフォームであることが多く、入居後にトラブルが起きたり、再度修繕が必要になったりすることも少なくありません。

投資を成功させるには、入居者が長く安心して暮らせるよう、事前の調査からリフォームまで信頼できる業者に依頼することが不可欠といえます。


施工業者を選ぶ際は、まず建物の構造や電気、ガス、水道などの状態の調査や施工ができる有資格者が所属しているかを確認しましょう。
経験豊富な業者ほど、写真やデータで丁寧に説明してくれます。

「この家は最初にどのような状態だったのでしょうか? それからどのように直し他のですか?」と具体的に聞いてみてください。過去の施工実績なども共有してもらい、必要な工事内容を相談しましょう。

 

また、再生後の賃貸契約や物件の管理体制も重要です。

これは、地元に拠点を持つ賃貸管理会社と連携することで、入居者の募集から家賃の回収、入居中や退去時の対応などをスムーズに行えます。

中でも、空き家再生の専門家や地元の不動産会社なら、施工、管理、賃貸のすべてをワンストップでサポートしてもらえる場合もあります。

 

成功事例:築60年の築古戸建が、再生により「利回り12%」を実現

 

最後に、当社が実際に長崎市内で手がけた築古物件の再生事例をご紹介します。

その物件は、築60年・木造2階建ての一軒家で、坂の上にあったため車が家の近くまで入れない立地にありました。

しかし、日当たりと眺望の良さは魅力的で、購入価格は200万円。

空き家となってからまだ日が浅く、雨漏りやシロアリ被害が軽微で、水洗トイレへの変更も済んでいたことが購入の決め手です。

 

300万円をかけて、「タイル張りの水回りの一新」「畳からフローリングへの張り替え」「眺望を活かす間仕切りの変更」などの工事を実施しました。

再生後はすぐに「景色の良い場所で暮らしたい」という若いご夫婦が入居し、月5万円で賃貸契約が成立。結果として、表面利回りは12%を達成しました。入居者のニーズや現代の生活に合った仕様変更と、立地の“弱点”を“個性”に変える工夫が功を奏した好事例です。

ちなみに、物件の取得時には諸経費として仲介手数料や登記費用、固定資産税の精算金、火災保険料などがかかります。総投資額の10%程度を見込んでおくと安心です。

その他にも、不動産取得税や融資を受ける場合は保証料、賃貸管理を委託する場合には管理費などの経費が必要になります。見落としがちな諸経費についても、事前にしっかりと把握しておきましょう。

 

まとめ:長崎だからこそ、築古再生にチャンスがある


長崎の空き家市場は、全国的に見てもまだ競合が少なく、アイディアと行動力次第で高いリターンを狙えるフィールドだと感じています。
海も山もあり自然が豊か、穏やかな人柄の方が多いなど住環境としての魅力も多く、「駐車スペースがない」「古すぎる」といった理由で買い手がつかない空き家でも、工夫と戦略次第で高利回りの投資物件に生まれ変われる可能性が高いです。


また、築古戸建投資は社会問題化しつつある空き家を減らし、街に活気を呼び込む原動力にもなります。

「築古戸建はリスクが高い」と決めつけず、まずは再生事例をご覧になってみてください。当社のHPでは、多くの空き家再生物件の事例を掲載しています。

具体的な投資計画や再生プランなどのご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。