空き家

空き家再生後の物件を必要としている方々の存在

今回は前回からの続きで、2つ目の「空き家再生後の物件を必要としている方々の存在」についてご紹介していきます。

 

当社の空き家再生後の物件は、賃貸として入居者募集を出すか、売買として売り出しをするか、両方おこなって、どちらか早い方でお話を進めるようにしています。リフォームの程度は、賃貸としても十分で、かつ売買としてもリフォームの余地を残すことで、好きなようにアレンジできるような具合にしています。戸建を必要としている方々は、賃貸用としても売買用としても、似ていますが、一旦分けてご紹介いたします。

 

賃貸用としての戸建

賃貸用として入居者様を募集していくにあたって、家賃は3万円代から5万円代、駐車場がある物件は6-7万円程度で募集を出しています。もちろん、住む方のご予算によっては違ってきますが、そういった家賃帯の背景があります。その中で、賃貸用の戸建を必要としている方々はどんな方々がいらっしゃるのか、当社の賃貸お問い合わせのお客様の実例でご紹介いたします。

 

ひとり親世帯の子育て世帯

ご夫婦のうちどちらかおひとりで、お子様を育てていらっしゃる世帯です。お子様は昼間は学校で、親はお勤めされているご状況の方が多いですが、色々な事情で戸建がよいとおっしゃってくださっています。お子様が走り回ったり大声をだしても、ご近所様にご迷惑をかけにくい戸建がいいというご意見が割合としては多いです。戸建でも、空き家となっている物件は年代的に築40-50年のものが多く、その頃の戸建は、比較的周辺の戸建との距離感も、現代のものより離れていることがあり、周囲の目線なども気にならない場合もあります。そういった戸建それぞれの特徴に共感して、お申込をされる方もいらっしゃいます。

あとは、戸建特有の、延べ床面積(㎡数)が広く、部屋数も多いため、子供部屋が用意できたりすることも戸建の良さの部分でもあります。

 

生活保護受給者の世帯

生活保護受給者の方は、アパートやマンションというよりも、戸建をご希望される方が多い印象です。理由を伺うといくつか教えてくださいました。

ー周りの世帯と距離をおきたい、

ー上下階の足音などが気になるため、戸建がいい

ー実家も戸建で、生活保護を受ける前は戸建に住んでいたから

ー前に近隣トラブルを経験した

 

特に、生活保護受給者の世帯だからというわけではないかもしれませんが、お問い合わせをいただくことも多いため、一例としてご紹介いたしました。戸建といっても、一般的な戸建よりは広さのない、40㎡〜70㎡のものがお問い合わせとしては多く、戸建で家賃としては36,000円から47,000円の比較的抑えめの家賃設定のため、生活保護受給者の方の住宅補助の予算ともあってくること好まれる理由としてあげられます。

 

売買用としての戸建

売買用としての戸建の場合、当社がご紹介している物件の価格帯としては、500万円〜1,000万円前後のものが多いです。これは、一般的な長崎市内の中古戸建の中でも比較的低い金額の方です。駐車場付の団地などにある戸建の物件は、2,000万円から3,000万円以上の価格帯になります。500万円から1,000万円となると、住宅ローンで購入することに加えて、現金で購入することが可能な価格帯になってきます。そのため、購入者は様々な方がいらっしゃいます。長崎特有の平地が少ないということも、この価格帯の売買が進んでいく理由にもなってきます。

 

基本的には、賃貸用としての戸建と住み替え理由は一緒で、子育て世帯が多いですが、売買用特有の特徴をあげていきます。

 

自分でリフォームをして少しずつ生活環境をよくしていきたい

ある程度住める状態の戸建に、ご自身が住みやすいようにアレンジしていくことがよくあります。当社もリフォームをしていますが、売買用というよりは、賃貸用で住める状態にするという程度のリフォームになっているため、売買の場合、施主様の方でもう少しリフォームをしたいという要望をいただくことがあります。その場合も、お客様の要望をお伺いして、リフォーム会社の窓口として、対応しています。

 

月々の支払を5万円以内に抑えたい

ここで返済金額を計算する豆知識ですが、住宅ローンの返済は、わかりやすくいうと、35年、1.0%、100万円を融資を受けると、2,822円/月となります。単純計算、同じ条件で1,000万円を借りると先程の2,822円を10倍にして28,228円/月というように、倍数で計算することができます。こちらを念頭に入れると、駐車場が10,000円/月で、固定資産税が年間40,000円/月だったとして(当社の管理物件の相場から概算で記載しております。)ローンとしては同じ条件で1,200万円程度に抑えれば、月々の支払を50,000円以内に抑えることができます。

そういった理由から、価格帯が500万円から1,000万円前後というのは需要に対して適正な価格になっているといえます。

 

エリアを限定して探している

長崎市では、駅から何分圏内という考え方もありますが、それよりも、ずっと〇〇で生活しているから、〇〇エリアがいい。というように、エリアを限定して探している方がいらっしゃいます。子供の学校区、勤務先までの距離感、休日の過ごし方、それぞれにおいて、今住んでいるところは気に入っているのですが、広い戸建に住みたい。というご要望をよくお伺いします。その際に、新築などで分譲されるような土地が少ない(平地が少ない)ため、新しい物件がそもそも出てこない傾向にあります。エリアを絞って探している方にとっては、中古戸建でも色々と自分たちでリフォームができる余白がある方が好まれる傾向にあります。

 

まとめ

 そもそもみなさん戸建に住みたいという潜在的な理由がありながら、価格が高かったり、物件としてなかなか出てこなかったりすることで選択することをやめているのかもしれません。空き家再生後、その場所にしかない需要だったり、平地が少ない、資金計画などの理由で、戸建に住み替えを検討できるようになっているとしたら、大変喜ばしいことです。当社も空き家再生をおこない、そういった方々に向けて供給できるよう、努めてまいります。