空き家

台風に備えて、地方の空き家でするべき対策とは?

日本列島を毎年のように襲う台風。台風シーズンになると暴風雨による被害が発生し、住宅の損壊や浸水被害などが相次ぎます。

 

誰も住んでいない空き家は、被害を受けやすい存在です。台風が直撃してもすぐに対応できる人がおらず、放置すれば被害が拡大し、周囲の建物や通行人に損害を与える危険もあります。雨漏りを放置して構造材が腐食するなど、長期的に被害が及ぶリスクも潜んでいます。

 

この記事では、台風に備えて地方の空き家で行うべき対策について具体的に紹介します。空き家を所有している方、これから活用を検討している方にとってきっと参考になるはずです。

①火災保険へ加入する

まず台風対策としておすすめしたいのは、火災保険の加入です。火災保険は火災による損害を補償すると思われがちですが、火災以外にも風災・水災などの自然災害が補償対象になっているケースが多く、台風による損害にも対応しています。

 

たとえば、台風の暴風で屋根のトタンが剥がれた、強風で雨樋が壊れた、落下物で外壁にひびが入ったといった被害も、条件を満たせば補償の対象になります。地方の空き家は築年数が古く、屋根や外壁が劣化しているケースも多いため、火災保険に入っておくと安心です。

 

ただし、このような軽微な保険請求をする際に注意したいのが免責金額です。免責金額とは、保険を使う際に自己負担しなければならない金額です。例として免責金額が5万円に設定されている場合、損害が4万円であれば保険金は支払われず、全額自己負担になります。損害が8万円であれば、免責金額の5万円を差し引いた3万円が支払われます。

 

免責金額は、保険料にも影響する要素です。免責金額を高く設定すると保険料は安くなりますが、いざというときの自己負担額が増えるため、自身の財政状況とリスク許容度を考慮して設定しましょう。併せて火災保険の契約時には、風災や雪災の補償範囲なども確認しておくと安心です。

 

保険料は、空き家の構造や築年数によっても変動します。長崎の空き家に火災保険をかけると、年間で6〜8万円程度の保険料がかかるのが一般的です。

②物理的に備える

物理的な備えとして、飛来物による被害を防ぐために、窓の補強や雨戸の閉め切りも行いましょう。

 

養生テープや飛散防止フィルムを貼ることで、仮に飛来物が直撃してガラスが割れても破片が飛び散りにくくなる効果があります。そうすると、室内の家具や家電の損傷、人体への危害といった被害を防げます。また雨戸があれば、台風前に閉めておくべきです。

 

一方で、雨戸が常に閉まっている状態だと周囲から「ここは空き家だ」と認識され、不法侵入や不法投棄の対象とされるリスクもあります。台風直前だけ閉めて、普段は開けておくといった管理が理想的です。

 

また、このような物理的な備えは被害を抑えるために有効なものの、現地に行かなければならず手間がかかるのも事実です。

③管理会社に委託する

不動産管理会社へ空き家の管理を委託すると、管理の負担が軽減されます。

 

管理会社へ委託しておけば、台風が来たあとに、現地へ行って被害状況を確認してもらえます。もし被害があれば、火災保険を申請するための被害写真の撮影や修繕の見積書作成も行ってもらえるため安心です。

 

台風が襲来した際、自分が現地に行かなくても、被害状況の把握と修繕の段取りが可能になります。

 

月額費用は発生しますが、災害時以外の日々の管理も任せられます。特に空き家から遠方に住んでいる場合や、多忙で定期的に訪問できない場合は、管理会社へ委託することが現実的な選択肢です。

まとめ

地方の空き家は誰も住んでいないからこそ、台風への備えが一層重要です。対策を怠ると空き家が損害を被るだけでなく、近隣へ迷惑をかけてしまう恐れもあります。

 

今回紹介した、火災保険への加入、物理的な備え、管理会社への委託の3つの対策を講じることがおすすめです。

 

適切な対策をしておくことで、損害やトラブルを最小限に抑えられます。空き家を資産として活用し続けるためにも、台風シーズン前に空き家の状況を見直し、日ごろからの備えを怠らないようにしましょう。