長崎の空き家で民泊をやるとしたら?押さえておいた方がいいポイントを3つ紹介

長崎は、世界遺産の軍艦島やグラバー園をはじめ、平和公園、出島、ハウステンボスなど観光資源が豊富です。修学旅行生が訪れるスポットとしても知られています。クルーズ船の寄港地としても注目されてきました。
そんな観光地としての可能性を秘めている長崎。空き家を活用した民泊は一定の需要が見込まれ、ひいては長崎により多くの観光客を呼び込むことも期待できます。
今回は空き家で民泊をはじめる際のルールと、押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
民泊の基本ルール
まずは民泊の制度面での基本を押さえておきましょう。
空き家で民泊を行うには、以下3つのいずれかの方法を選ぶことになります。
1.住宅宿泊事業(いわゆる「民泊新法」)
年間の営業日数を180日以内とする制限があるものの、比較的参入しやすいのがこの方法です。台所や浴室を備えていることなどが要件で、都道府県への届出が必要です。
2.旅館業法の簡易宿所営業
簡易宿所とすれば180日の制限はありません。しかし設備面での要件が厳しく、保健所の許可が必要になります。
3.特区民泊(長崎市では非対応)
特区民泊は180日の制限もなく、簡易宿所ほど要件も厳しくありません。ただし国家戦略特区に指定された自治体でのみ認められる制度のため、長崎では活用できません。
つまり、現時点で長崎において民泊を行うのであれば、住宅宿泊事業か簡易宿所営業を選択することになります。
ポイント1:予算管理
ここからは、空き家を再生して民泊を行う際の3つのポイントを紹介します。
1つ目は、予算管理です。民泊においては、初期投資とランニングコストをいかにコントロールできるかが重要です。はじめに予算を設計しておきましょう。
<物件購入・取得コスト>
物件の購入費用に加えて、登記費用や仲介手数料、税金などの諸費用も見込んでおかなければなりません。
長崎では、エリアによっては数百万円から空き家を取得できる場合があります。ただし安い物件にはそれなりの理由があり、かえって多額のリフォーム費用がかかるケースも見られます。
<リフォーム費用>
特に古い物件だと、耐震性の向上や水回りの刷新、断熱性の確保など、見えないところにお金がかかります。民泊として活用するには、家具や家電、Wi-Fiの準備も必要です。
内装や家具にこだわりすぎるとあっという間に金額が膨らんでしまいます。収支シミュレーションをしたうえで、投資すべきところ・抑えるべきところを見極めましょう。
<ランニングコスト>
光熱費、清掃費、予約サイトへの手数料、税金、火災保険料、広告費など、民泊を始めると月々のコストがかさみます。たとえば、清掃を自分で行うか外注するかによってもコストが変わるため、事前に計画しておくことが望ましいでしょう。
ポイント2:物件の状態や間取り
2つ目のポイントは、物件の状態や間取りです。
空き家と一口にいっても、築年数や状態、間取りはさまざまです。観光客に選ばれる民泊にするには、単なる寝る場所以上の価値が求められます。
古民家風の宿は魅力的ですが、築年数の古い空き家を使える状態にするには修繕が欠かせません。雨漏り、シロアリ、基礎の腐食、配管の老朽化など、表に見えない部分の確認と修繕が必要です。
使いやすい間取りかどうかもチェックしておきましょう。寝室が区切られていない、トイレやお風呂が1つしかないといった点は、宿泊者の満足度にかかわってきます。
ポイント3:物件の立地
最後のポイントは物件の立地です。観光客が宿を選ぶ大きな理由のひとつが立地だからです。
長崎は坂の多い地形であるため、徒歩5分の差でも宿泊者の利便性に大きな違いを生むことがあります。重い荷物を持って移動する宿泊者のことを考えると、最寄り駅やバス停からのアクセスが非常に重要です。
電車通り沿線や、観光名所の近くであれば集客しやすくなります。反対に坂道が続く住宅街や、車がなければたどり着けない場所はハードルが高くなります。
立地は変えられないからこそ、物件選びの段階で慎重に検討しましょう。
まとめ
観光産業が発展するポテンシャルのある長崎では、空き家活用による民泊は個人にとっても地域にとっても大きな可能性を秘めています。
空き家を活用した民泊をはじめる際は基本のルールを守ったうえで、「予算管理」「物件の状態や間取り」「物件の立地」の3つのポイントを押さえましょう。
「観光資源」と「空き家」という今ある資源を活かし、空き家を民泊として再生できれば、長崎へさらなる観光客を呼び込む一歩になります。