空き家

長崎空き家再生、リフォーム内容の決め方

今回は、空き家再生するために、リフォームをする際に、どのようにしてリフォームの内容を決めていくのかということをご紹介していきます。

 

空き家再生後の行く末を考える

まず空き家再生に着手する前に、この物件がどういう趣旨で利用されていくのかということをいくつか念頭におきながらリフォーム内容を考えます。例えば、この物件を、購入者が住むため(自己居住用)に再生するのか、賃貸として入居者様に貸し出し、自由にご利用いただくために再生するのかで、内容は少し変わってきます。

前者の自己居住用として購入される方を想定する場合、リフォームとリノベーションの間くらいの、ある程度下地からやり直すくらいの工事をする必要があります。この場合、立地や広さも影響してきます。立地もよく、広さも80㎡を超えるようなもので駐車場が近くに確保できていてという、空き家の中でもいくつかの好条件にあてはまった場合に、自己居住用として再生することがあります。

それ以外の場合は、まずは賃貸用としてリフォームすることをおすすめします。自己居住用として、リフォーム後の物件を購入される方は、内外装含めてキレイな物件を好む傾向にあり、物件の価格が1,000万円から2,000万円とひらきがあるため、空き家を再生したのに、買い手がつかない。ということもよくあります。その場所それぞれに需要がありますが、価格が見合わないと流通されません。空き家が、本当の意味で再生されていないということが起きてしまいます。一方で、賃貸用として貸し出す場合、月額30,000円〜80,000円となってくるため、一括で購入するよりは負担が低い分、求めるリフォームも、自己居住用のそれとは異なってきます。

 

建物の大事なところからリフォームをする

建物として維持していくために必要なものとして、構造体、設備、内装の順番で必要になってきます。

構造体というのは、柱や梁、屋根や壁などの建物を維持していくための基礎なる部分です。具体的には、シロアリ被害があった柱や梁は補強や入れ替えをおこないます。雨漏りがあった場合は、屋根の葺替や一部補修、塗装等をおこない、今後5年以上は屋根から雨漏りが起きないようにリフォームします。その上で、次は設備になります。水道管からの漏れや、お湯がでるかどうか、給湯器は壊れていないか、という情報から、生活する上でかかせないインフラを整備します。電気も単相2線になっていれば、現代の生活に見合っていないため、単相3線に切り替える工事をおこないます。構造体や設備が整ってきて、初めて内装に予算をつかっていきます。もし予算が足りなくて、内装に対して予算が使えなかったとしても、内装に関して起きる不具合は、入居者様のご指摘により、修繕することは可能で、費用もそこまで大きくかかることはありません。ポイントは、最初にやっておかないと後から工事することができない部分や、後から工事だと大変でかつ費用もあがってしまうようなところから先にリフォームをするということです。そうすることで所有者様の利益を守ることができます。

 

住む方の意見を聞く

先程、空き家リフォーム後の利用者として、自己居住用として購入される方と、賃貸用として借りる方がいるという話をしました。実際に住んだ後、自己居住用に購入された方は、ご自身でリフォームローンを組んだりして、自由にリフォームしていることがよく見受けられますが、賃貸用に借りている方がリフォームローンを組むことはほとんどありません。少しDIYなどで室内をリメイクしたりすることはありますが、費用負担が大きい、かつご自身の所有ではないため、ローンを組んでまでする方はいないのです。そのため、賃貸用として借りている方は、住んだことで、修繕して欲しい箇所がわかった際に、所有者にその修繕箇所を依頼することになります。戸建は1棟として、全く同じ物件というのはありません。それぞれの土地のかたちがあって、潮風をうける風向きも違いますし、建物も工夫されて設計されています。空き家の場合、元所有者様が増築改築をして、アレンジされていることも珍しくありません。そのため、住んでからしかわからないことというのが、どうしてもでてきてしまいます。その事情をあらかじめ考慮して、最初から完璧なリフォームをするよりも、少し余白を残しておき、入居者様がご入居されてから、ご意見を伺い、修繕に入ることがあります。その方がかえって、入居者様にもご満足いただいたり、ご入居後、建物に関する修繕の依頼など減るということがるため、当社もよく利用する方法です。

ただ、この場合は、賃貸借契約書等で入居者とあらかじめ期限や程度を定めておく必要があるため、相談が必要になります。

 

まとめ

空き家再生のリフォームは、フルリノベーションを100とすると、本当に100通りのリフォームがあると考えております。その中で最終的な着地点をイメージしながら、どのくらいのリフォームをするのが、実際に住む方にとっても、所有者様にとっても最適解なのかを考えながら着手することが必要です。