空き家

【長崎県 人口動態】空き家活用を考える上で注目すべき指標とは?

全国的に進む人口減少や空き家問題。そんな中、地方移住や地域活性に向けた空き家活用の流れが加速しています。長崎県もそのひとつですが、長崎において空き家活用を検討する際、地域の現状を把握することは非常に重要です。特に人口動態は、今後の住宅需要や地域経済の動向を予測する上で欠かせない指標となります。

 

本記事では、先日発表された最新の人口動態統計や観光データを基に、長崎県の現状と空き家活用を考える上で注目すべきポイントを解説します。

 

特殊出生率に見る長崎のポテンシャル

 2025年6月6日に厚生労働省が発表した人口動態統計月報年報の概況によると、長崎県の合計特殊出生率は1.36となりました。これは前年の1.49からやや低下したものの、全国的に出生率が低下傾向にある中で、長崎県は依然として上位25%に位置しており、九州や南部エリアと同様に、将来的な人口増加のポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。

 

全国的に見ても、福井・島根・鳥取・佐賀・宮崎・沖縄など多くの都道府県で特殊出生率は低下しています。例えば、全国平均では0.05ポイントの低下が見られますが、長崎県は0.1ポイントの低下と、他県と比較してやや下落幅が大きいという側面もあります。しかし、鳥取県や島根県のようにほとんど変動がない県もあれば、石川県のように長崎県以上に低下した県もあります。

 

このように、特殊出生率の低下は長崎県に限ったことではありません。重要なのは、依然として全国平均を上回る水準を維持し、将来的に地域を担う子どもたちが生まれているという事実です。これは、長崎県で空き家を活用し、子育て世代向けの住環境を整備することの意義を示唆しています。

 

参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai24/dl/kekka.pdf

 

 転入・転出状況からみる人の流れ

 次に、長崎県の転入・転出状況を見てみましょう。総務省の統計データによると、長崎県は転入者数よりも転出者数が多い「転出超過」の状態が続いています。これは人口減少の一因ではありますが、注目すべきは転出者数が減少傾向にあるという点です。

 

2025年と2024年のデータを比較すると、転出者数は約15%減少しており、これは全国的に見ても減少率が高い部類に入ります。転入者数も減少しているため、人口が大幅に増加しているわけではありませんが、「長崎から出ていく人が減っている」という事実は、地域への定着が進んでいる可能性を示唆しています。

 

特に、隣県の福岡県が県外からの大幅な人口流入によって若者を中心に人口を増やしているのと比較すると、長崎県は県外への流出を抑えることに成功していると言えるかもしれません。この背景には、長崎県独自の地域に根ざした取り組みや、住環境の魅力があると考えられます。

 

参照:https://www.stat.go.jp/data/idou/sokuhou/tsuki/zuhyou/hyo02.xlsx

  

観光客数の増加が示す地域の魅力

 人口動態と合わせて注目したいのが、観光に関するデータです。観光庁の統計によると、2023年の長崎県の延べ宿泊客数は732万4,524人となり、前年比で15.9%増加しました。また、日帰り客を含む観光客延べ数も2,934万7,509人(前年比16.3%増)と大幅に増加しています。

 

さらに、観光消費額は3,535億円となり、前年比で29.4%もの増加を記録しました。これは、長崎県が多くの観光客を惹きつけ、地域での活性化につながっているからではないでしょうか。

 

この急激な増加は、長崎県が持つ豊かな自然、歴史的な街並み、そして独自の文化が高い観光資源として評価されていることの証と言えるでしょう。観光客の増加は、宿泊施設や飲食店、地域ビジネスへの需要を高め、空き家をこれらの用途で活用する活性化に繋がります。

 

まとめ

 2024年の人口動態統計や観光データからは、長崎県が直面する課題と同時に、多くの可能性も見られます。特殊出生率の低下は全国的な傾向でありながらも、長崎県は依然として上位に位置しており、将来の担い手が育っています。転出者数の減少は、地域への定着が進んでいる可能性を示唆し、観光客の急増は長崎が持つ魅力の大きさを証明しています。

 

これまでもご紹介してきたように、長崎は大村湾を有し、すり鉢状の地形をしているなどある種独特の閉鎖的な地形をしています。しかし、これは地域内で経済やコミュニティが完結しやすいという特性を生み出しており、地域資源である空き家を活用した、きめ細やかな地方創生策が効果を発揮しやすい環境とも言えるのです。

 

当社では、長崎市内の空き家を専門的に取り扱い、そこから全国の空き家を減らしていく活動をしており、空き家に関するノウハウがたくさんあります。空き家の売買について、ご相談やご質問などございましたら、お気軽にご連絡をいただけたらと思います。ご連絡お待ちしております。

 

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