空き家

【長崎 空き家】長崎市の人口と同じくらいの市区町村ってどんなところがある?

長崎市の空き家再生を考えるにあたり、まずは長崎市がどのような街なのかを知ることが大切です。都市の特徴を把握することで、空き家再生の可能性が見えてきます。

 

この記事では、長崎市と人口がほぼ同規模の横須賀市(神奈川県)、宮崎市(宮崎県)、豊中市(大阪府)と比較しながら、長崎市の現状や特徴を浮き彫りにしていきます。

 

人口・面積を比較する

まず、各市の人口と面積を多い順、広い順に並べてみます。

 

<人口>

豊中市:398,145人

宮崎市:394,448人

長崎市:388,490人

横須賀市:371,241人

 

<面積>(市街化区域の面積)

宮崎市:643.57km2(62.56㎢)

長崎市:405.69km2(64.8㎢)

横須賀市:100.81km2(66.27㎢)

豊中市:36.39km2(36.6㎢)

 

参考:https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/fs/8/2/0/5/0/5/_/820505.pdf

参考:https://www.city.nagasaki.lg.jp/page/2179.html

参考:https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/4805/tokei/thouku/thouku3.html

参考:https://www.city.toyonaka.osaka.jp/joho/shoukai/gaiyou/index.html

 

人口はいずれも40万人弱の規模で、いわゆる地方中核都市の部類です。ところが、面積を見てみると大きな違いがあります。長崎市は人口に対して面積が広く、豊中市のなんと約11倍です。

一方で長崎市は、大型客船が寄港しているように、地形がすり鉢上の形状をしています。浅瀬でも深いという特徴があり、港から平地が広がっていますが、平地も少なく、斜面地にまで住宅があるという土地柄です。そのため、面積自体は広いですが、ほとんどが山林や農地といった市街化調整区域になっており、市街化区域においては、64.8㎢となっています。

 

市街化区域でみてみると、宮崎市、長崎市、横須賀市はほとんど変わらないエリアと考えることができます。

 

実際に、長崎市と横須賀市については、船が寄港しやすい土地形状(すり鉢状)であるという共通点や、斜面地の空き家が多いという共通点もあり、空き家活用が盛んなエリアとしても事業者や投資家の中では注目されています。

 

次に、65歳以上の割合を見てみます。

 

<65歳以上の割合>

長崎市:32.1%

横須賀市:29.8%

宮崎市:29.3%

豊中市:26.7%

 

長崎市は65歳以上の割合が最も高く、豊中市との差は5.4%です。長崎市は高齢化者が多く、実家が相続されたあとに空き家となってしまう事例が多いと予測されます。

 

参考:「全国の市 人口・面積・人口密度ランキング

参考:「令和2年国勢調査

 

就業者数を比較する

続いて、各市の就業者数を比較してみましょう。

 

<就業者>

長崎市:184,533人

宮崎市:180,584人

豊中市:172,614人

横須賀市:172,129人

 

<15歳以上の人口に占める就業率>

宮崎市:53.9%

長崎市:51.8%

豊中市:49.9%

横須賀市:49.7%

 

上記からわかるのは、長崎市は比較的働いている人が多いことです。高齢者の割合が高い中でこの数字を維持している点は評価できます。たとえば、空き家をシェアオフィスやコミュニティスペースにするなど、「働く場」「交流する場」として再生する可能性も見出せます。

また、横須賀市や豊中市自体は、近くに大阪市や横浜市などの都市があるということもあってか、就業者は都市部に流れていってしまうという仮説も成り立つ結果になっています。

一方で、長崎市は、コンパクトシティといっても差し支えないほど、市内の重要な機能(市役所や県庁など)はほとんど長崎駅周辺に位置しています。

 

参考:「令和2年国勢調査

 

戸建ての数・家賃相場を比較する

空き家活用においては、戸建ての数と家賃相場も重要な指標です。

 

<戸建て数>

宮崎市:97,386戸

横須賀市:96,499戸

長崎市:95,696戸

豊中市:58,097戸

 

<2LDK・3K・3DKの家賃相場>

豊中市:9.17万円

横須賀市:8.13万円

長崎市:7.17万円

宮崎市:6.36万円

 

このデータから、長崎市は他の市に比べて戸建て数がやや少ないものの、都市部に比べて手ごろな水準であるとわかります。相場感と戸建て数のバランスから考えると、長崎市は空き家を比較的低コストで取得でき、空き家投資を行うチャンスがある地域といえます。

家賃というのは、不動産の取引価格や公示価格と比例して高くなっていく傾向にあります。現代の住まいの考え方の一つとして、「賃料より安くていい家に住めるなら買おうかな」といった心理も働くほど、家賃より住宅ローンの返済額の方が低いものです。

実際に売買価格も、豊中市やベッドタウンとして人気のエリア、横須賀市は関東1都3県の一つとして、物価水準も首都圏外のエリアと比べると高いエリアになるため、そのまま家賃としてあらわれていると言えます。

 

参考:「宮崎ポスティング.com

参考:「神奈川ポスティング.com

参考:「長崎ポスティング.com

参考:「大阪ポスティング.com

参考:「こだて賃貸

 

まとめ

長崎市は人口約39万人と中核都市の規模で、面積は広いものの、人が住むエリアはコンパクトシティとして市街化区域にまとまっているため、他県と比較しても人口密度はさほど変わらないということがわかりました。

面積が広いということはその分観光資源も多く存在することにつながっていくのかもしれません。

長崎市は空き家の課題と可能性が共存する地域です。空き家を放置すると建物の老朽化が進み、不動産の価値が下がったり、周辺の治安に悪影響を及ぼしたりする懸念があります。

空き家問題は、都市構造や人口動態を正しく理解することで解決の糸口が見えてきます。再生の可能性と課題を見極め、地域に寄り添った取り組みを早期に進めていくことが、長崎市の未来にとって重要です。