空き家

いらない空き家の処分方法

住む予定のない「いらない空き家」がある。そんな方の中には、今後どうすればいいか悩んでいる方も多いでしょう。空き家を処分するには、いくつかの方法があります。今回は代表的な4つの方法について、特徴やメリット、デメリットをわかりやすく解説します。

空き家の処分方法4選

1 不動産業者に仲介を依頼して売る

多くの方がまず検討されるのが、不動産業者を通じて空き家を売却する方法です。一般的にはまず不動産会社に仲介を依頼し、空き家の価値を査定した後、住宅情報サイトなどの一般市場で買い手を募るといった流れになります。
物件の状態によって多少のリフォームが必要な場合もあります。

︎メリット
・売却できれば現金化できる
・固定資産税や管理費用などのコスト、維持管理の負担から解放される

︎デメリット
・売却できるまでに時間がかかる場合がある
・築古物件、立地エリアが悪い物件など、買い手がつきにくい場合もある
・仲介手数料やリフォーム・修繕費用などのコストが発生する可能性がある

空き家は一般的な物件より市場価値が低いため仲介手数料も低く、不動産業者が積極的に仲介を引き受けない側面があります。ですが、近年は2024年に低廉な空き家等(物件価格800万円以下の宅地建物)の媒介報酬上限が緩和されるなど、空き家の市場流通を活発化させる動きも出てきています。


2 知人に無償で譲渡する

「どうせ誰も住まないし、売っても大した金額にならないなら身近な人に……」と、家を探している知人に無償で譲渡する方法もあります。

︎メリット
・固定資産税や管理費用などのコスト、維持管理の負担から解放される
・思い入れのある物件が、信頼のおける人に活用される安心感

︎デメリット
・譲渡後の修繕や管理責任をめぐって揉めごとになることも
・名義変更、登記、税務処理など手続きが必要
・土地や建物の評価額が110万円を超えた場合、贈与税がかかる

 

ただし、無償譲渡の場合、知人といえども口約束だけでは後々トラブルになるため、譲渡の契約書を交わし、責任の所在を明確にしておくようにしましょう。
また無償であっても贈与税や登録免許税などがかかり、完全に無料ではないことは注意が必要です。譲渡人、譲受人それぞれ事前に必要な金額を確認しておきましょう。
最近では知人間だけでなく、「空き家バンク」や「あげます・ください」と言った掲示板サイトなど、個人で空き家を取引できる市場も広がりつつあります。

 

3 空き家専門業者に買取りを依頼する

不動産業の中には、空き家の買取りや再生を専門とする業者があります。専門知識、再生ノウハウが豊富なので、老朽化が進んで状態の悪いなどの理由から売却できずに放置している空き家や再建築不可物件などでも、買取り対象となる可能性があります。

︎メリット
・築古物件でも対応可能な場合がある
・空き家に関する知識が豊富で安心できる
・査定から契約まで手続きがスムーズ

︎デメリット
・一般市場より査定価格は低くなる可能性がある
・悪質な業者には注意が必要

 

空き家の専門知識に長けているだけでなく、大切な家を手放す人の気持ちをよく理解しているのも専門業者ならではと言えるでしょう。業者選びの際は、買取り実績がしっかりあるか、契約条件なども納得いくまで丁寧に説明しくれるか、などをきちんと確認しましょう。地域に根付いた業者であれば、なお安心です。

4 市区町村に寄付する

市区町村などの自治体に空き家を寄付するという選択も一案です。ただし、自治体によって、「更地にすること」「再利用目的があること」など寄付のための条件が設けられている場合があります。またそもそも自治体が空き家を必要としていない場合、寄付の申し出が受け入れられないこともあります。寄付された空き家は、住民のコミュニティスペースや防災倉庫などに再利用されることもあります。

︎メリット
・空き家が適切に活用される
・地域の公共事業や地域活性化に貢献できる

︎デメリット
・更地する必要がある場合、建物の解体費用がかかる
・手続きが煩雑で時間がかかる場合もある

自治体により手続き方法や条件は異なりますが、売却や譲渡に比べると自治体への寄付はハードルが高いと言えるでしょう。検討する場合は、事前に市区町村の窓口へ問い合わせをして、寄付条件や手続きの流れなどしっかり確認する必要があります。

 

空き家放置はデメリットしかない!迷ったら空き家専門業者に相談を

どの処分方法を選択するにしても、空き家は放置している時間が長くなるほど老朽化が進み、リフォームや修繕のためのコストが膨らみます。また、倒壊や火災、不法侵入といったトラブルが起こるリスクも大きくなるでしょう。

 

また、管理が不十分な空き家(管理不全空家、特定空家)として市区町村から管理の指導を受けた場合、その指導に従わないと勧告を受け、土地の固定資産税の軽減措置が受けられなくなり、税負担が大きくなる可能性もあります。

そのため、たとえ住む予定のない「いらない空き家」であったとしても、「何もせず放置する」という選択だけは避けた方がいいでしょう。

 

ご紹介した4つの処分方法のうち、「すぐに手放したい」「建物の老朽が気になる」「信頼できる業者に任せたい」という場合、3の「空き家専門業者に買取りを依頼する」が最もおすすめの方法です。

 

まずは、信頼できそうな業者数社に問い合わせや査定を依頼してみましょう。

実際に担当者と話をしてみて、実績があり相談しやすいかどうか、手続きや費用など比較検討することが大切です。同時に自治体の空き家相談窓口にも問い合わせておくと、最新の補助金や支援制度などの情報を得られる場合もあります。

空き家の処分は面倒なことも多いですが、どうか後回しにせず、ご自身に合った処分方法を模索することから始めましょう。本記事がそのヒントとなれば幸いです。

当社も空き家専門業者としてたくさんの情報を発信していますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。