空き家

初のKindle書籍出版に寄せて

NagasakiSTの大光明孝幸として初めての自著『全国の空き家を、長崎から。』をKindleで出版させていただくことになりました。発売日は2025年5月25日を予定しています。(https://www.amazon.co.jp/dp/B0F8NLTLR4?ref_=pe_93986420_775043100

 

すでに予約注文いただきましたみなさま、興味を持ってくださったみなさまに心から感謝申し上げます。

空き家の増加が全国的に社会問題となる中、「相続で急に空き家を引き継ぐことになり困惑している」「空き家はどうやって処分すればいい?」と悩む方は多くいらっしゃいます。
また将来不安から資産形成が重要視される中で、空き家をベースにした不動産投資に興味をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

そのような方々に、空き家に関する周辺知識や具体的な活用方法、実際に空き家再生を行った事例などのリアルな情報をお届けしたい。また、私が拠点とする長崎市の空き家事情を通じて、地方都市における空き家活用の可能性についても、もっと多くの方に知っていただきたい。そして、深刻化する空き家問題に少しでも貢献できたら。そうした思いで、筆を取らせていただきました。

長崎が教えてくれた空き家再生の可能性

大学で建築を学び、展示会業界を経験したのち、不動産業界へわたり再び建物と向き合う日々。気づけば私は14年以上、不動産業界に関わりながら仕事をしてきました。しかしながら、携わってきたのは戸建て住宅や新築マンションの販売、土地活用の提案といった新規事業で、空き家については、まったくと言っていいほど触れる機会がなかったのです。そんな私が、空き家を保有する取引先の方に誘われ、長崎の地を訪れたのは2021年のことです。

異国情緒あふれる、風光明媚な港町。人と人とのつながりが感じられる温かな風景。生まれ育った横浜市と似た雰囲気に親しみを感じるとともに、長崎市が抱える課題も知りました。若者は進学や就職のタイミングでどんどん故郷を離れてしまう。スリバチ状の地形から斜面地が多いため、高齢者は暮らしやすい平地へと住まいを移す。その結果、かつてたくさんの人が暮らしていた町に空き家や空き地が目立つようになった。立地条件や老朽化から地元の不動産会社も手がつけられないような空き家もたくさんある。たしかによく見れば人の気配がない家ばかり。町を歩きながら、そして地元の方から話を聞く中で

「こんなにも美しく観光資源の豊富で人も温かい素晴らしい地域は、再びたくさんの人が住んで活気をとり戻せるはず」

「そのために、自分の積み上げてきた不動産事業のノウハウを空き家再生事業に活かすことが、貢献につながるのではないか」そんな2つの思いが私の中で大きくなっていったのです。

その想いを実現しようと2022年12月にナガサキストを設立し、今に至ります。創業2年で60棟以上の空き家再生を手掛け、関わってきたたくさんの方々から「空き家専門の業者を探していたんです」「ずっとどうしようと困っていたので助かりました」といった嬉しいお言葉をいただくようになりました。
一方で、物件を探していた方からは
「こんな間取りの家を探していたんです」「一軒家は価格的に無理かなと思っていましたが、ちょうどいい物件に出会えて嬉しいです」

という声をたくさんいただくようになりました。
そのような声を伺うたびに、家を手放された方の想いを受け継いだ者として胸が熱くなります。そして僭越ながら、2つの家族のお役に立てたこと、微力ながら長崎に家の灯りを増やせたことに大きなやりがいを感じます。「空き家再生は、少しずつでも必ず社会をいい方向へ変えていける」1軒1軒手がけるごとに、そうした確信を重ねています。

空き家問題をもっとポジティブに

「空き家問題」というとどうしてもネガティブな印象を持ちます。しかし、そもそも空き家には人が住み、家族の明るい笑い声や生活の音であふれていた時代がありました。さまざまな事情で今は住む人がいなくなってしまっただけで、所有者の方にとっては大切な思い出、そして親御さんやご親族が築き上げた財産でもあります。
だからこそ「何とかしなければ……」「他の家族には負担をかけたくない……」などと責任感から悩んでしまうのでしょう。

しかし、私は知っています。

再生した空き家には、人の暮らしが戻ってくることを。家が息を吹き返して、また命が宿ることを。みなさんの大事な思い出の家が、「また誰かの住まい」になることを。
悩んでいるみなさんにこそ、「空き家を活用してよかった」と思っていただきたい。そのために当社を利用していただきたいのです。


一方で、空き家を自宅や収益物件にするなど、活用したいという方も増えています。しかしながら、空き家が欲しくても手に入れられない現状もあります。そんな方々に、所有者の方から譲り受けた空き家を提供し、空き家を起点とした新しいチャレンジを応援できるのも、空き家専門業者ならではの強みだと思っています。

 

著書には、こうした私が日々行なっている空き家再生事業から得たさまざまな知見を収録させていただきました。空き家に関心のある方、空き家にお悩みの方、空き家を活用したい方、空き家の情報を得たい方にも、お役立ていただける内容だと思っています。

1人でも多くの方の元へ届き、空き家についてポジティブに考え、行動に移すきっかけの1冊になればこんなに幸せなことはありません。ぜひ少しでも気になったら、読んでみてください。お読みいただけたら、どんなことでも構いませんので感想、ご意見などいただけたらとても嬉しいです。