空き家

長崎の空き家を相続したらどうする?相続したらしなければならない手続き

近年、長崎県も含め全国的に空き家問題が深刻化しています。家族や親族から空き家を相続した場合、どのように対応すれば良いのでしょうか? 相続は感情的な問題だけではなく、法律や税金、費用面でも慎重な判断が求められます。本記事では、空き家を相続した際の具体的な対応策、また注意すべきポイントについてお伝えしていきます。

 

相続が発生したら最初にやるべきこと

 相続が発生した際、まずは資産状況の確認が必要になります。そして、故人が所有していた全ての資産(現金、不動産、株式など)の評価額を調べます。特に空き家については固定資産税評価額を確認するための資料を用意する必要があります。

 

その工程が完了したところで、空き家を含む全資産の評価額を基に、相続税が発生するかを判断します。一般的には、基礎控除額(3,600万円+法定相続人1人につき600万円)を超える場合に相続税が課されます。空き家の評価額は低いことが多く、相続税負担に大きく影響することは少ないですが、他の資産と合わせて確認します。

 

資産よりも負債が多い場合や、維持管理が困難な空き家の場合は、相続放棄を選択することも検討しましょう。相続放棄には期限(原則3ヶ月以内)があるため、慎重に進めつつも迅速な判断が求められます。

 

空き家相続後の選択肢

 空き家を相続した後の主な選択肢として、「利用」「売却」「保有」の3つがあります。それぞれの特徴と注意点がありますので、見ていきましょう。

 

1.利用する

 相続した空き家を居住用や事業用に使う方法です。家賃などの支出を抑えることができ、事業用にカフェや民泊として活用すれば収益を得られる可能性もあります。その反面、リフォーム費用や維持管理の費用が発生するため、収益化できるか慎重に検討が必要になることもあります。

 

2.売却する

 空き家を売却することで、現金化し維持管理の負担を軽減する方法です。売却するには、まず相続登記を完了させる必要があります。この手続きには、必要書類の取得費や登録免許税、司法書士への報酬など費用が発生しますが、これを怠ると売却ができないため気をつけましょう。売却方法としては、不動産会社を通じた仲介売却と、不動産会社による直接買取があります。

 

◯仲介売却:高値で売れる可能性があるものの、買主が見つかるまで時間がかかることもあります。また、仲介手数料(売却額の約3%+6万円、上限33万円)が発生します。

 

◯直接買取:最短2週間ほどで現金化できるなどスピーディーな対応が魅力。ただし、買取価格は市場の一般的な査定価格の半額程度になることが多い点に注意が必要です。

 

 売却する際には、空き家に残された家具や荷物(残置物)を、撤去しなければなりません。不動産会社が紹介する業者に依頼することもできますが、費用は売主負担となる場合が一般的です。

 

3.保有する

 空き家をそのまま保有する選択肢もありますが、固定資産税や管理費用が発生するため、長期間の放置はおすすめできません。そして空き家を保有する場合でも、定期的なメンテナンスや管理が必要です。

 

売却時の注意点と現実

 空き家を売却する際には、売却価格や手数料、売却スピードなど、注意するべきポイントが多々あります。不動産会社が高値で売れると見積もった場合でも、実際には売却価格が大幅に下がるケースが少なくありません。例えば、「350万円で売れる」と査定された物件が1年以上売れず、最終的に150万円でも売れなかった事例もあります。「いつか誰かが使うかもしれない」とそのままにしていたり、「絶対に500万円以上で売りたい!」など希望価格に固執したりせず早めに手放すことも重要です。

 

お伝えしたように、不動産会社による仲介売却と直接買取では、前者の方が売却されるまでに長い時間がかかる可能性があります。一方で後者は、売却を早く済ませられる可能性がある反面、低価格になるかもしれない点を考慮する必要があります。何を優先したいのか、売却方法を考える際はよく考えましょう。

相続登記の手続き支援、売却や買取のアドバイス、残置物撤去業者の紹介、トラブル回避につながる契約書の作成などは専門家の力を借りるのも1つの方法です。手間やトラブルを最小限に抑えることができます。

 

まとめ

 2024年4月より空き家の相続登記は義務化されました。空き家の相続には感情的な負担や法的な手続きが伴いますが、適切な対応を行うことで、空き家が新たな価値を生むこともあります。そのまま放置するのではなく、専門家のサポートも視野に入れながら確実に手続きを行いましょう。

 

当社では、長崎市内の空き家を専門的に取り扱い、そこから全国の空き家を減らしていく活動をしており、空き家に関するノウハウがたくさんあります。空き家の売買や活用について、ご相談やご質問などございましたら、お気軽にご連絡をいただけたらと思います。ご連絡お待ちしております。