空き家

長崎の空き家は他県と比べて安い! その理由とは?

空き家の増加は年々深刻化し、社会問題となっています。首都圏はもちろんのこと、長崎県をはじめ地方都市においてもその動きは加速しています。しかし、空き家の処分に悩む人が増える一方で、安い物件を求めて空き家を探している人も増えつつあります。

一般的に、空き家物件は「中古物件よりも価格が安い」のが特徴で、それにはいくつかの理由があります。例えば、久しく人が住んでいなかったことで発生する雨漏りやシロアリといった建物の欠陥、過去起こった事件や事故、周辺の環境の悪さなどのいわゆる「瑕疵(かし)」があるからです。

こうした問題は、購入や賃貸を検討している人の意思決定に大きな影響を与えるため、契約前に売主が書面で告知することが宅地建物取引業法 第35条で定められています。

 

<不動産取引における告知事項>


・物理的瑕疵

建物の欠陥、雨漏り、シロアリ、過去の自然災害などによるダメージなど。

 

・心理的瑕疵


殺人や自殺といった死亡事故が発生した物件など、多くの人が嫌悪感や抵抗感を抱く事象。

・環境的瑕疵


周辺に暴力団や宗教関連の施設がある、墓地や火葬条、ゴミ処理場などがあるなど、住むにあたり嫌悪感や抵抗感を抱く周辺環境。

 

・法的瑕疵


建築基準法や消防法、都市計画法など、法律によって「建て替えができない」など建物にかかっている使用制限。

このように、一般的な空き家は、買い手や借り手にとっては、物件の状態や環境により修繕や害虫駆除、リフォームなどが必要となるいわば「問題の多い」住宅であることが多いのです。空き家の所有者にとっても、上記に挙げたようなネガティブポイントは空き家の価格をさらに下げてしまう要素となるため、注意したいところです。
しかしながら、当社が拠点とする長崎県の空き家については、他県の空き家とは少し状況が異なります。何が違うのか、またそれはなぜなのでしょうか。


長崎県の空き家は群を抜いて安い!その理由は?

 

一般的に地方都市の「安い空き家」というと3~400万円ほどです。前述した告知事項が加わる物件はさらに価格に下がり、他の物件と価格差が発生します。

しかし長崎県の空き家は、一般的な価格から「群を抜いて安い」のが特徴です。その理由は、斜面地という特殊な環境です。とくに長崎県の長崎市は「坂の街」と言われるほど坂が多く、港町に適したすり鉢状の地形には斜面地が広がっているのです。

斜面地は階段が多く、車両が侵入できない道も少なくありません。また救急車両の侵入やゴミの廃棄場所までの距離、収集が困難であるなどの課題もあり、平坦な土地に建っている物件に比べて価格が安い傾向にあるのです。


長崎の特殊な環境が空き家にもたらすメリットとは?


しかし、斜面地の空き家ならではのメリットもあります。
一つは、長崎の風光明媚な景観を自宅から楽しめることです。すり鉢状の街の夜景は「世界新三大夜景」とも言われるほど美しく、海や石畳の階段など場所によって様々な景色を望めるでしょう。また斜面地は建物が少ないことから緑が多く、日当たりが良い土地が多いのも魅力です。活用の仕方を工夫すれば、お得に眺望の良い住まいを手に入れることができるため、所有している方も「斜面地だから売れない」と諦めることはありません。

もう一つ、この特殊な環境は空き家の所有者にメリットをもたらします。それはもともと斜面地で物件が安いために、前述した告知事項などが、価格にほとんど影響しないことです。一般的な物件ではネガティブポイントになることも、長崎県においてはそれほどナーバスに考える必要はないのです。

また通常斜面地に家を建てるとなると、建物を建てる部分の土地を平らにするための工事が必要になります。しかし空き家の場合、すでに人が住んでいた場所なので、そうしたコストがかからないことも、買い手にとってプラス要素となるでしょう。

 

とはいえ早めの対応に越したことはなし!

 

しかしながら、どんな空き家も放置して経年劣化してしまうと、価格がグンと下がっていきます。特に長崎の斜面地の空き家の場合、もともと安い価格からスタートしていますから、そのスピードは他の物件よりも早いと考えてよいでしょう。

空き家は、最終的に値段がつかなくなり売ることができなくなってしまうのが、最も怖いことです。手放すとはいえ、家族の思い出が刻まれた大切な家。誰にも住み継がれずただ老朽化が進んでいくのを見るのは、所有者にとって大変辛いことだと思います。空き家物件を所有している方は、ぜひ早めの対応を意識したいものです。

斜面地であっても、告知事項があっても、老朽化が進んでいても、空き家が住まいとして生まれ変わるための方法はいろいろあります。しかし、一般の方がそれを考えるのは簡単なことではないでしょう。

私たちのような空き家を専門分野としている企業であれば、周囲の環境や法律なども配慮しながら実現できるさまざまなアイデアを持っています。
大切な物件に再び明るい笑顔や笑い声が戻り、また新しい時を刻んでいくことが、所有者の方にとっても私たちにとっても嬉しいことなのです。

もし空き家の処分でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。