なぜ空き家を放置してはいけないのか? 解体を避けるべき理由とは?
空き家を保有している方にお話を伺うことが多いのですが、ほとんどの方が「空き家を放置してしまっている」とおっしゃいます。ご自宅が別にあり、さらには普段仕事や家事をしていれば、なかなか空き家の手入れまで手が回らないことも十分理解できます。しかし、それでもなお、相談に来られた方々に「空き家こそ、メンテナンスが重要なんですよ」とお話させていただいています。そうすることで空き家は劣化することなく、資産価値が保てる可能性があるからです。
一方で絶対に避けたいのが「解体」です。ではなぜ解体を避けるべきなのでしょうか。今回は、空き家を放置するとどんなことが起こるのか、なぜ空き家の解体を避けるべきなのか、詳しくお伝えしていきたいと思います。
空き家はなぜ劣化するのか?
空き家を放置するとどんなことが起こるのか。大きく分けて「住宅外(庭)」と「住宅内」とで劣化が起こります。まず住宅外では
・雑草が生え景観が損なわれる
・不法侵入や犯罪の温床となる場合もある
・蚊や蜂などの害虫が発生する
・外装材や屋根材などの破損を放置すると、部材が落下する危険性がある
ことが挙げられます。一方住宅内では、
・ねずみや害虫が発生し不衛生になる
・雨漏りなどでカビが発生し、家自体が傷む
・シロアリが発生すると家そのものが倒壊する危険性もある
などが挙げられます。空き家は人が住んでいないため、このような状況になるリスクが極めて高いのです。空き家が劣化すると資産価値は低下。さらには売却が難しくなることもあります。
実際、私が見させていただいた物件でも、庭の草木が家の中に入り込み、中は雨漏りしているケースや、柱と梁がシロアリに食べられており、仮に駆除をしても建物を存続させるのが難しく、再生できないケースもありました。
また、空き家の近隣に住む住民からも「あなたのところの空き家のせいで困っているんだけど……」と間接的に解体してほしいと言われてしまうこともあります。
しかし、解体したところですべてが解決するわけではありません。続いて、なぜ空き家の解体を防ぐべきかについて解説します。
空き家は放置をせずに手入れをして早く売却する
仮に地域住民からの申し出等により、解体することになってしまった場合を考えてみましょう。
まず、200万円前後の解体費用が発生します。
さらには、土地だけになった場合、固定資産税が6倍になってしまいます。年間数万円で住んでいたものが一気に数十万円になる、ということになれば経済的な負担も増します。
なお長崎の斜面地の場合、「土地だけ」になってしまうとほぼ売却することは不可能です。つまり、子ども世代にまでこうした「固定資産税だけ払い続ける」状況が続くかもしれないのです。経済負担が増える点が解体の大きな特徴です。
すこし怖い話をしてしまいましたが、実際そのような「売却できない土地」を抱えている方もいらっしゃいます。
では、どうすれば良いのでしょうか。答えはシンプルです。「空き家をメンテナンスしてよい状態を保ち、資産価値がある間に売却する」ことです。
まず住宅内に残置物がある場合は、その撤去から始めましょう。そのときのポイントは「一気に」「1人で」やらないことです。大量の残置物がある場合、物を撤去するのは肉体面でも精神面でも大きな負荷がかかります。こまめに片づけをする、場合によっては片づけの専門業者に依頼するなども一案です。
まとめ
今回は空き家を放置してはいけない理由についてお伝えしました。空き家は、かかるコストやマンパワーからメンテナンスをせず、放置しがちです。しかし、お伝えしたように空き家は「劣化スピード」も一般住宅よりも速く、劣化してしまえば最悪「解体」という方法を選ばざるを得ません。一方で、空き家内の片づけをする、こまめに除草作業をする、家の内部をチェックするなど、手入れをきちんと行えば売却して利活用する道もあります。
もし、空き家について悩んでいるなら、空き家専門の業者にまずは相談してみてください。
何より私たちも、空き家の解体を避け、よりよい形で再生できるよう、お手伝いしたいと考えています。当社では、長崎市内の空き家を専門的に取り扱い、そこから全国の空き家を減らしていく活動をしており、空き家に関するノウハウがたくさんあります。空き家対策について、ご相談やご質問などございましたら、お気軽にご連絡をいただけたらと思います。