空き家長崎 空き家再生で、私がこだわる「色合わせ」について
よく私は仕事柄「なぜ空き家再生事業に着手しようと思ったのですか?」と聞かれることが多いのですが、改めて考えてみると、「これまでのさまざまな知識が活用できるから」に尽きると考えています。そういう意味で私は、空き家を「中古や新築ではできないさまざまなチャレンジができる」貴重な資源だととらえているのです。
そうした空き家再生をする中で私がとりわけこだわっている住宅の「色」に関して、今回はお伝えしていきたいと思います。
印象ががらりと変わる「色合わせ」の世界
大学の専攻が建築学科だったこともあり学生時代、さまざまな建築物を見ては、色の組み合わせの知識を深めていきました。
その後新卒で入社した広告代理店は、ビッグサイトや幕張メッセ、パシフィコ横浜などで開催されるゲームショーなどの展示会のプロデュースを手がける会社でした。企業や展示内容によってさまざまに変わる、会場装飾。例えば、壁に貼るクロスを何色にすれば魅力が伝わるか。目を引くために素材を変えてみようか。デザイナーさんたちとあれこれ、ディスカッションしながら色合わせの経験を増やしていきました。
その後、カラーコーディネーターの資格も取得。実務と座学の知識をかけ合わせることで、「自分が手がける住宅はどうあるべきか」をより追求するようになりました。
おかげさまで現在は、お客様などから「大光明さんの住宅は落ち着く」「すごく素敵でテンションが上がる」という声をいただくことがあります。その背景には、広告代理店に勤務したことで、住宅にはない遊び心のあるデザインを多く見ていたことも一因だと感じています。
建築学科→広告代理店→不動産業界というキャリアは、一見すると遠回りに思えるかもしれませんが、私はむしろこのキャリアがあったからこそ、今のナガサキストがあると感じています。
昔の家の間取りを生かしながら現代の家を生まれ変わらせる
では、具体的に空き家をどのような思いでリフォームしているのか。私には大きく分けて3つ、心がけていることがあります。
1つ目は、なるべく現状の家を生かした形でリノベーションすること。単純に全てを解体して現代風にアレンジするのもいいですが、昔の間取りだからこそ、活きるデザインがあると私は考えています。たしかに和室がいくつもあると使いづらい家になってしまいますが、和室の良さも感じていただきたい。そこで1つだけ和室を残して、後は床の材料を変えるなどして、実用と昔の良さを両方感じていただくように心がけています。余談ですが、昔の間取りは一度壊してしまえばまずもうその間取りは手に入りません。さらに余談ですが、「なぜこの間取りなのか」現代とは異なる部分にも必ず意味があるはず。それを読み解きながら、住みよい家に変えていく部分に面白さとやりがいを感じているのです。
2つ目は、「奇をてらったような色は使わない」ことです。空き家の中で使用されていた色合いになじむように、同系色でまとめること。そうすると落ち着きのある、居心地のいい空間をつくることができます。色は主張しすぎると、全体のバランスを損ねてしまい、逆に「居心地の悪さ」を演出してしまうのです。
例えば浴室がピンク色のタイルの場合を考えてみましょう。モダンな印象にしたいなら、浴室内の壁の色は黒を持ってくるかもしれません。
しかし私は、白に黄色か赤みを入れたような塗装色でまとめるようにしています。そもそも「黒と赤」や「黒と黄色」は色相環でいうと補色の関係にあり、落ち着かない色の組み合わせです。お風呂はゆっくりのんびりつかりたいですよね。その環境に合った色を考えること。これも大切なことです。
3つ目は、「調和を大切にすること」です。私たちが扱うのは、あくまで一般住宅です。店舗やビルではありません。であるならば、景色にもなじむような外観、主張しすぎない溶け込むような住宅がやはり大事なのではないでしょうか。
少し熱く語りすぎたようにも思いますが(笑)、私はこの3つを大事にしながら日々空き家の再生事業に取り組んでおります。
まとめ
今回は空き家再生で私がこだわってきた「色合わせ」についてお伝えしました。住宅ノリフォームやリノベーションをするのは、たしかに私たちかもしれません。しかし、その後そこで住んでいくのはあくまでお客様たち。こと一般住宅は、基本的に家族で長い時間過ごすためのもの。その団らんに合うような色を選択したいと考えています。
私たちはお客様に寄り添った空き家再生、家づくりを今後も進めていきたいと考えています。
当社では、長崎市内の空き家を専門的に取り扱い、そこから全国の空き家を減らしていく活動をしており、空き家に関するノウハウがたくさんあります。空き家対策について、ご相談やご質問などございましたら、お気軽にご連絡をいただけたらと思います。