空き家

空き家再生、2年間でしてきたこと。これからしていきたいこと。

2022年12月12日に株式会社NagasakiSTが設立いたしました。設立から2年が経過し、株式会社NagasakiSTも本日で2周年ということになりました。長崎の空き家をお持ちの方々、長崎の空き家再生を応援してくださっている協力会社のみなさま、その他空き家に関わるすべてのみなさま、2周年を無事に迎えることができましたのは皆様のおかげでございます。本当に、ありがとうございます。

この2年間で当社がしてきた取り組みと、これからしていきたいことを改めて残しておこうと思い、本記事を書いております。少しお付き合いくださいませ。

 

立ち上げメンバー採用

 

2022年から2023年の段階では、まず最初に立ち上げメンバーを募集するところからスタートしました。ただの採用ではなく、立ち上げメンバーとしての採用となるため、最初は、リファラルもしくは私がもともと一緒に時間を過ごしたことがあるメンバーだといいなと思っていました。友人と立ち上げるというよりは、関東圏での不動産の経験をしていて、、私の思いに共感してくれる存在がいいと思っていたため、少し時間がかかるだろうなと覚悟はしていました。

そんなタイミングで、なんと2人から、ほぼ同時期に「大光明さんが会社を立ち上げたことを知った。一緒に仕事がしたい。」と声をかけてくれました。東京で不動産をバリバリとやっていて、7年くらい前から知っていた存在で、これ以上ない存在でした。会社の土台を作るところから一緒にスタートするというのは、今までと違って、仕組みがない環境になるのですが、そういった仕組みを一緒に作っていくのにも、最適な人材です。

私個人としては、「人様の人生を預かる」という大きな1歩を踏み出すことになり、人としてまた成長させてもらったなと感じています。

不動産会社の立ち上げ自体はそこまで難しくないのですが、開業と同時に、今までお付き合いのあった不動産会社も含めて、多くの方にご挨拶をさせていただき、空き家専門の会社ということをご理解いただく活動をすすめました。suumoやathomeなどのポータルサイトとの契約や社内システムの構築などをおこない、横浜と長崎を行き来しながら忙しくさせていただいたのをよく覚えています。

ある日、メンバーと長崎の飲食店に伺って、話をしていると、お店の気さくなスタッフの方と仲良くなり、空き家の仕事していて、不動産業をしていることを伝えると、「前から不動産をやってみたかったんで、詳しい話聞きたいです!」ということに。

お酒の席ですし、本当にそう思っているのかもわからなかったのですが、交換したLINEで、「本当に興味あるので時間を作っていただけませんか?」と連絡がありました。そこまで興味をもってくれているなら一度話をしてみよう。ということになり、当社にお越しいただき後日話をすることになりました。

後日、そのスタッフの方がこられて、話をしました。話をしている感じが非常にきさくで話やすいということと、誰に対しても嫌な気持ちにさせない雰囲気をもっていました。何より、飲食店で働いていて、気さくな人というのは、やはりコミュニケーション能力が高いというのを感じていたこともあり、好印象です。不動産については未経験ですが、やる気とコミュニケーション能力の高さもあり、一緒に働いていただくことになりました。

この話が、2023年9月までのできごとです。

 

空き家の新たな再生方法の発見

 

会社を立ち上げた当初から、空き家をリフォームで住める状態にして、賃借人を募集し、賃貸が始まることで空き家の再生をおこなってきました。

ある日、試しに「自己居住用として売買に出してみよう」という取り組みが始まりました。理由は、私の中で、空き家でボロボロの状態では、購入するにしたとしてもそのあと、リフォームでいくらかかるかわからない状態で、なかなか空き家を取得して自宅にしようと判断できないのではないか、という仮説があったからでした。もし、すぐに住める状態のものが800万円前後で売っていたら購入する方がいるかもしれない。と。

その仮説があっていたことを証明するように、大浜町Ⅱという物件が、自己居住用としてお問い合わせをいただき、ご内見後、申込になるということになりました。もともと関東でも何十件と住宅ローンの契約を進めていた私たちにとっては、業務自体は何も問題がなく、スムーズに進めることができました。

この発見は、大きな1歩となりました。今まで空き家再生事業では、再生したら賃貸に貸出するというのが一般的で、それ以外ですと、民泊事業用に再生をしていくという方法くらいでした。住宅として販売するというのは、まさに今後、長崎にとっても、空き家にとっても必要なことではあるので、感動したのを覚えています。

今後、長崎だけではなく、地方都市については、新築戸建というより、中古戸建のリフォームというのが増えてくると予測しています。理由は、新築を建てても、木材含め物価の高騰、関税の増税などで、一般消費者が購入する時には数千万になってしまっていくことを考えると、なかなか手が出しにくい金額になってしまうことが想定されるからです。そこである程度金額はおさえた床面積の広い戸建というのは今後ニーズが高まっていくと想定しています。

その時代に突入したのではないかと感じる、当社にとっては大きな出来事のように感じました。

空き家再生は、リフォームするだけで再生したとするのではなく、リフォームをしたあと、何かしらのかたちで人が住むことで初めて「空き家が減った」「空き家再生ができた」という風に考えています。

こういう自己居住用として購入していただくことでも、空き家が確実に減っていくことになりますので、当社の意義としては十分、ということになります。

 

SNS公式アカウント開設

 

2024年5月7日に、X、Instagram、tiktok、facebook、youtubeといったSNSの会社公式アカウントを開設し、運用を開始いたしました。長崎の不動産会社の中で1番SNSを運用している!といえるよう頑張っております。今の若い世代の方々にも、空き家問題について触れていただいたり、戸建に住むことの良さや、長崎のいいところや観光地をご紹介する情報を発信しております。

色々な発信をしていると、反響をいただくことがあり、そういった面でも大きく変わった1年だったなと思います。

インスタグラムで投稿している物件をみかけてくださり、直接DM等でお問い合わせをいただく件数が10件以上にのぼりました。また、長崎新聞のご担当者の方からご連絡をいただき、取材の依頼をいただき、なんと新聞に掲載されることにもつながりました。そして、その新聞をみたということで、空き家の引き取りのご相談があり、2件ほど直接引き取りさせていただきました。

改めて、情報を発信することの大切さを感じたため、SNSでの空き家再生の情報発信や長崎のいいところのご紹介については、今後も継続的に発信をおこなっていく予定です。

 

空き家再生棟数66棟からまずは100棟へ

 

2024年12月12日時点で、当社が再生した空き家は66棟ということになります。単純に計算した場合、年間で33棟再生していることになりますが、まだまだこのペースでは空き家は増えるばかりで、減らすことができていないのが現状です。

全国の空き家を減らそうと思ったら、少なくとも年間1000棟くらいを長崎市で減らしていくことになります。まずはその1/10である年間100棟を目指して、コツコツと空き家に向き合って再生を進めてまいります。

そのためには、当社をもっと知っていただき、長崎の空き家については、まず当社にお任せいただける。そんな会社にしていく必要があります。空き家に関する情報発信に加えて、長崎市内で空き家について困っている所有者の方々との接点を増やしていければと思っております。いろんな方々に相談しても、どうにもできなかった空き家でも、まずは一旦当社にお問い合わせいただけたらと思います。解決方法を一緒に考えていけたら幸いです

 

今後のNagasakiST

 

3年目のNagasakiSTは、大きく2つ達成したいことがあります。

・新しい仲間を増やす

これからNagasakiSTとして、目標としている空き家再生棟数を達成していくために、ここから3名〜5名仲間を増やしたいと考えています。長崎市内を車で自由に移動できて、入居者様の対応を迅速に対応できるような人材。また今後、リフォームを内製していきたいと考えておりますので、その工事部門の責任者を担える人材。空き家再生に興味があり、DIYで取り組みたいと考えている方でも、当社の思いに共感していただける方がいらっしゃれば、是非一度お話しできればと思っております。仲間が増えなければ、このままの体制で、目標を達成していくことはできないでしょう。

・民泊物件の開発

第1号として民泊物件の開発を進めていきたいと考えています。やはり空き家再生の「住めるような状態にする」ところと「民泊物件としての内装」とでは、少しリフォームの方向性が変わってきます。民泊物件として作る方が、リフォーム費用はあがる傾向にあります。ホテルが競合となってくるため、水回りについては特に綺麗にするなど、色々と費用がかかるため今までは着手できておりませんでした。会社が継続的に売上をあげられるようになり、安定してくれば金融機関に民泊物件として開発する費用をご相談しようと考えております。

インバウンドについては、今年過去最高の訪日観光客数を記録するなど、コロナ禍を経て、これからも大きく増えていく傾向にあります。長崎のいいところをもっと多く知っていただき、来崎してくださった方にご利用いただき、体験してもらえるよう、今後は空き家を民泊仕様でも再生していきたいと考えています。

 

まとめ

 

2周年を記念して、今までの振り返りと、今後したいことを書かせていただきました。空き家再生を1人で進めてもなかなか棟数を増やせなかったところから、いい仲間や協力会社に巡り合ったことで、ここまで空き家を減らせてきています。今まで以上に空き家を減らしていきながら、長崎のことを県外の多くの方に知っていただけるよう、活動していきます。