空き家

【空き家長崎】 「戸建」が自分自身をつくってくれた

前回は、私のこれまでの経歴やナガサキストができるまでをお伝えしました。今回は、私の「戸建に対する想い」についてお話ししたいと思います。

 

「戸建」に育てられた、学生時代

「戸建」に育てられた、学生時代

 

突然ですがみなさんは、「戸建」にどんなイメージを持っていらっしゃいますか?
「憧れのマイホーム」という方もいらっしゃるでしょうし、「実家が戸建」という方もいらっしゃるでしょう。それぞれ戸建に対する考え、価値観は違うと思います。

では私は、というと「ふるさと」という感覚を持っています。というのも、生まれてから22歳になるまで「戸建」で住んでいたからです。学生時代、サッカーに打ち込み、泥だらけになるまでボールを追っかけ、帰って家でご飯を食べる。父親や母親とたわいもない話で盛り上がる。テレビを見て笑い転げる……。

そんな思い出があるからでしょうか。私にとって家族がくつろげる場所が「戸建」だとすりこまれているのかもしれません。

ちなみに6歳の時、別の戸建へ引っ越し、生まれてから住んでいた戸建を同級生の家族が購入する、という体験もしました。思い出ある家が別の誰かの思い出になっていく。そんな体験もまた、私の「戸建愛」をつくってくれたのかもしれません。

 

といっても、戸建だけに住んできたわけではありません。社会人になり、家族が増える中でアパートやマンション(団地)も経験してきました。基本的に鍵1本で戸締りができ、セキュリティ面も高いマンション。その利便性も十分わかります。

そんな中で私の「戸建愛」にさらに火がついたのは、子どもを授かってからのことでした。

横浜市にある団地をフルリノベーションした約50平米の1LDKの家に移り住んだ頃のことです。当時、1児の父として子育てに、仕事にと奔走していたのですが、ある時、双子を授かりました。

「将来的に現在の家では、家族5人が住むには厳しい。のびのび子育てできる戸建に移り住もう」と決意。妻も賛同してくれ、戸建での子育てがスタートしました。

 

子育てで改めて感じた「戸建」の魅力

子育てで改めて感じた「戸建」の魅力

結果的に戸建への引っ越しは大正解でした。3児の子育ては思いのほか大変だったからです。ひとりをあやしていると、もう1人が泣き出す……なんてことは日常茶飯事で、3人いっせいに泣かれた日にはこっちが泣きたくなってしまうときもありました。子どもが成長し、走り回るようになれば捕まえるのも一苦労。

まさにドタバタな毎日でしたが、そんなときも、ストレスをそこまで感じず子育てできたのは戸建の2つの魅力にあると思います。

1つ目は、「音」を気にする必要がないこと。株式会社ヴァンガードスミスさんが行った「近隣トラブルに関する調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000113641.html)」によると、第1位が「生活音・騒音」のトラブルでした。静かな環境を好みやすいと言われている日本人はとくに音に関して敏感なのでしょう。それに加え子どもがいる場合は、さまざまな音が出るためトラブルが起きやすいのも事実です。その点、戸建の場合はマンションと違い、上下左右の隣人にそこまで気を配る必要がありません。

 

2つ目は、「ほどよい距離感があるため、仲良くなりやすい」ことです。マンションやアパートの場合、壁1枚を隔てているだけのため、物理的に距離が近く心理的に距離を取ってしまう傾向があります。しかし戸建の場合は、家と家とに一定の距離があるため、隣近所に声をかけやすい、関心を持ちやすくなるのです。

これは個人的な感想に過ぎませんが、子育てをする中で、ご近所さんからの「優しい声がけ」と「必要以上に気をつかわなくていい」ことが何より助けになりました。

こうした理由から、私は強く戸建をおすすめしたいと思っているのです。

 

どんな方にも「戸建」をおすすめしたい

 

自分自身の生い立ちや、現在子育てをしている観点から戸建の魅力を語ってまいりましたが、実はどんな環境であっても、戸建に住んでほしいと思っています。

といっても、「戸建は高くて予算オーバー……」という方もいらっしゃいます。そんな方におすすめなのが「中古戸建」です。ナガサキストで展開している空き家物件については、空き家をリフォームし、中古戸建として購入できるほか、戸建賃貸を選ばれる方も多くいらっしゃいます。戸建の良さはそのままに、賃料を抑えて住むことができる。それは大きな魅力です。

当社にいらした方も、「戸建に住みたい」「だけど予算が心配」というお悩みを抱えていらっしゃいました。

聞くと、シングルマザーで働きながら3歳の子どもを育てているといいます。アパートに住んでいて、隣人や下の住人から子どもの声に対してクレームをたびたび受け、引っ越しを検討していたのです。

「そんな方にこそ戸建に住んでいただきたい」私は現地のスタッフにお願いし、ご予算内で親子が安心して住める家を探しました。そしてついにご自身の勤務地からほど近い場所で中古戸建が見つかったのです。

築年数相当の経年劣化はみられるものの、必要箇所はリフォーム済みで中もきれいな状態で、賃料は月5万円。賃貸借契約が完了し、住み始めたころのこと、「こんなところに住めるなんて思っていませんでした」と写真付きでメールをいただきました。そこに映っていた嬉しそうな親子の笑顔を、私は今でも忘れることができません。「戸建の暮らしで幸せな生活を送れることができた」そんな人を一人でも増やしていきたい。私の戸建愛は今、そこに集約されているのです。

 

まとめ

 

今回は私が戸建にかける思いと、中古戸建の魅力についてお伝えしてまいりました。実は今、私もまた中古戸建に家族5人で住んでいます。次回は、「中古戸建の魅力」と「空き家再生事業への思い」を改めてお伝えしたいと思います。