【空き家長崎】空き家再生投資における銀行評価とは!?
今回は、不動産投資の中でも空き家再生投資に対する銀行の評価基準や考え方をご紹介していきます。物件購入資金や、リフォーム費用などで融資を受けて進めたい方は、参考にされてみてください。
【空き家長崎】物件のエリアや事業主の居住地の影響
地方銀行の考え方のひとつとして、債務者管理などの観点から、その銀行が対応しているエリアに事業主が居住していることがポイントになります。例えば、長崎市内に在住で、住民票も長崎市内ということになりますと、この条件はクリアすることができますが、長崎の銀行を利用する際に、事業主の居住地が大阪や東京など遠方になると、そもそも融資の審査を進めることができないということがあります。また同様に、その対象となる物件の所在地も、その銀行が管轄しているエリアに限定されます。これらの条件を考えると、始めやすい状況としては、長崎にお住まいの方が、長崎の銀行で長崎の空き家再生投資を検討するということが、銀行側からみても安心材料になるということです。
【空き家長崎】物件自体の評価方法
①収益還元法
収益還元法は、以下の2つの手法に分かれます。
1.直接還元法
物件が生み出す年間の純収益(収入から経費を差し引いた金額)を還元利回り(キャピタリゼーション・レート)で割り算することで、
物件の評価額を求めます。
計算式: 物件価値 = 純収益 / 還元利回り
シンプルで分かりやすい反面、収益の変動をあまり考慮しないため、長期的な予測には不向きです。
2.DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)
将来得られるキャッシュフローを割引率(ディスカウントレート)を使って現在価値に換算し、それらの合計を物件の評価額とします。
収益の変動やリスクを反映できるため、より精緻な評価が可能ですが、将来の収益や割引率の予測が難しいため、専門的な知識が必要です。
収益還元法のメリット
市場価値の反映:収益還元法は市場での実際の収益性に基づいて評価を行うため、現実的な物件価値を算出できます。
比較的シンプル:特に直接還元法は計算が簡単で、短期間での評価が可能です。
収益還元法のデメリット
収益の予測が必要:将来の収益を予測することが難しい場合があり、その予測の誤りが評価に影響を与える可能性があります。
リスクの評価が難しい:将来のリスクをどう考慮するかによって、結果が大きく異なる場合があります。
上記のようにご紹介することができますが、もう少し噛み砕いた言葉で表現すると、空き家再生投資においても「直接還元法」というものをよく利用します。一般的に「利回り」という言葉で表現することが多いです。
「家賃収入の年額」÷ 「購入価格と購入にかかった費用、リフォーム費用」×100 = 利回り(%)
仮に、実際の物件にあてはめて考えるとこうなります。
ex)月額家賃50,000円、物件購入価格200万円、リフォーム費用300万円とした場合
(50,000円×12ヶ月)÷(2,000,000円+3,000,000円)×100 = 12.00%
簡単に考えるとこのような式になります。
この利回りが、10%を超えていると比較的他の投資商品と比べて、利回りは高い部類に入ることになります。ただ、利回りが高すぎると、その利回りをいつまで維持することができるのかも重要な要素になります。
例えば仮に入居者が退去したとして、また次も同じ家賃で貸すことができたら利回りは維持することができますが、その再現性がどの程度確率が高いものなのかということも考えなければなりません。
②積算法
積算法では以下の手順で物件の評価をおこないます。
1.土地の評価:土地の価格を路線価や実勢価格などを基に算出します。その土地の広さや形状、周辺環境、用途地域などを考慮し、土地の価値を評価します。
2.建物の評価:建物の新築時の建設費や現在の状態、築年数、使用材料などを基にして評価します。減価償却を考慮し、建物の現在価値を算出します。
3.土地と建物の価値を合算:土地と建物の個別の価値を合計し、物件全体の価値とします。
積算法のメリット
詳細な評価が可能:土地と建物を個別に評価することで、より精緻な物件価値の算出が可能です。
シンプルな計算:評価手順が比較的シンプルで理解しやすいため、多くの不動産に適用できます。
積算法のデメリット
市場価値の反映が弱い:実際の取引価格や市場動向を必ずしも反映しない場合があるため、市場価値との乖離が生じる可能性があります。
建物の評価が難しい:特に古い建物の場合、減価償却や修繕履歴などを適切に評価することが難しいことがあります。
用途
積算法は、不動産取引や担保評価、税務評価などで使用されることがあり、特に個人が所有する一戸建てや土地付きの建物の評価に向いています。この方法は、市場価格に左右されにくいという利点がある一方で、実際の取引価格との差異が生じることもあるため、他の評価方法と併用することが推奨される場合もあります。
【空き家長崎】空き家再生投資の場合の評価方法
空き家再生投資の場合は、収益還元法でご紹介した「利回り」は比較的高いものとして評価をすることができます。一方で積算法で計算すると、建物自体の構造や状態、土地の評価額などを参考にしていくため、築年数40-50年の空き家で評価をみていくと、あまり高い評価は出ない可能性があります。このように2つの方法で融資が可能かどうかを判断するための評価をおこなっていきます。
ただ、すでに不動産賃貸業としての実績をお持ちで、その事業内容で収支が安定していることが実績から判断できる場合は、初めて不動産賃貸業をおこなう方と比べても、評価は高いということもあります。あくまで物件や事業の見通しに対して判断する上で、それをおこなう「人」のことも評価対象になるということです。
空き家再生投資は、始めようと思えば、少額の自己資金で始めることができますが、建物の構造や状態に対する知識や理解度、収支計算等をおこなう必要があるため、ひとりでスタートするというのはおすすめしていません。
もし始めるのであれば、空き家の専門性の高い不動産業者などから、空き家再生物件として完成している物件を購入することからスタートする方が、後に発生する修繕リスクに迅速に対応することもできるなど、安心して進めることができます。
まとめ
空き家再生投資における、銀行評価や考え方をご紹介しました。最初は自己資金からはじめて、実績をつむことで、銀行評価の「人」に対する評価を高くすることができます。焦らずじっくりコツコツと空き家再生投資で実績を積んでいくお手伝いをすることも可能です。気になる方はお気軽にご相談・お問い合わせをいただけたら幸いです。