空き家

【空き家長崎】共有持分はどこに相談すればいいの?相談先と考え方の一例

今回は、以前のブログで言葉の意味や問題点をご紹介した「共有持分」について、共有持分の状態で起きた問題を解決する手順をご紹介をしていこうと思います。ブログでは多くの反響をいただいておりましたので、「権利関係をまとめるため、どういう風な手順で進めたらいいのか」「どこに相談したらいいのかわからない」など、反響の際に多かったご質問に対してご紹介していきます。

 

【空き家長崎】共有持分の問題点のおさらい

 

まずは共有持分の問題点に立ち戻りますが、意思決定の困難さや、利用の制限、その不動産の売却などの重要な意思決定については、持分全員の同意が必要です。いざ共有持分で所有している空き家を売ろうと思っても、まずは持分全員の同意が必要という点が、空き家処分の大きな障壁になっています。

持分所有者が一部所在不明でその調査からスタートする場合は、時間と労力がかかる上に、その所有者がはっきりしたとして、同意されるかどうかはまた別の問題になってきます。

売買価格の観点から考えても、空き家ではなく普通の不動産であれば、売却できる価格がある程度はっきりしているため、その金額を持分割合で計算して、手元に残る金額を伝えて、判断を仰げますが、空き家の場合は、ほとんど値段がつかないことが多いため、持分所有者の中には売買金額に対して「期待している」という状況の方がいた場合、そこで売買金額の折り合いがつかなくなります。

所有するにも、手放すにも共有持分というだけでなかなか話が進まないことがあるのです。

 

 【空き家長崎】まずはどこに相談すればいいのか

 

共有持分で問題になるのは、「売却」というような重大な意思決定をする際によく発生します。

まずは相談内容をはっきりさせましょう。共有持分の売却であれば、2つ売却方法に分かれます。持分のまま売却するのか、権利関係を共有者の間で売買をして、権利を1つにまとめて売買するのかです。前者の場合は相談するところは、共有持分買取業者か弁護士になります。後者は弁護士のみの相談で問題ありません。

早く現金化したいのか、時間をかけてでも全員が納得するかたちにしたいのかによっても変わってきます。売却する際は誰もがなるべく高い金額で売却したいと考えるはずです。しかし、買取業者に依頼すると相場よりもスピードを重視するため、金額としては低くなる傾向にあります。一方で、弁護士に依頼したからといって必ず高く売れるわけではありません。買取業者に買い取ってもらう場合と比べて、権利関係をまとめて全員同意した状態にもっていくのに時間を要しますが、権利がまとまっている状態で売却した方が、相場かそれ以上で売れる可能性はあります。

 

時間を使うか、金額が低くても早さを優先するか、どちらかを選択することになります。

 

ご自身の売却を検討した経緯や、状況をふまえて適切な相談先に、依頼内容と要望を伝えてみてください。

 

【空き家長崎】共有持分買取業者に依頼した場合

 

買取業者に依頼する場合は、なるべく依頼する業者が、宅建業に加えて弁護士業務や司法書士業務に精通している不動産会社を選ぶといいと考えています。不動産会社としての機能だけですと、どうしても「安く買って高く売る」という不動産ビジネスの方向に偏りがちです。不動産会社としては、その買い取った共有持分を、他の共有者に購入するよう提案するか、別の購入希望者に転売するということになるため、その進行の仕方というのが一つ重要になってきます。色んな反響をいただいた方々から、持分売却の際には、「他の共有者の迷惑にならないようにしたい」という思いもよく伺います。スピード感はもちろん重要なのですが、そういった手順も案内してくれるような、法律に強い不動産会社が好ましいです。

 

不動産業者に持分買取を依頼する場合は、査定額提示後、査定額に納得できれば、そのまま契約と決済という流れになるため、権利書や印鑑証明書など必要書類を揃えることができれば、売却合意から1ヶ月かからない間に手続きが完了します。不動産会社との直接売買となることが多いため、それ以上の関係者と関わることもほとんどありません。

 

【空き家長崎】弁護士に相談依頼した場合

 

こちらの場合は、持分売却という方向ではなく、権利を1つにまとめる可能性もあるため、ご自身がしたい要望を弁護士にしっかりと伝えて、方向性を定めるところから相談スタートになります。そのため、どういう手順で進むかはその相談内容次第となります。3ヶ月で終わる場合もあれば、1年以上かかる場合もあります。弁護士に相談する場合は、ご自身も状況に合わせて共有持分のことを色々とお調べになられてから相談されると思いますので、あとは要望をしっかりと伝えることが重要です。

 

【空き家長崎】共有持分解決のひとつの考え方

 

共有持分の処分で考え方のひとつとして、参考にしていただきたいところがあります。

それは、その共有持分が買取業者に売れる価格と、持分をまとめて1つの所有権で売却した際の価格を持分割合に合わせて売却した場合、最終的に自分と共有者にいくらが残るのかということと、かかる時間と手間を天秤にかけて検討する方法です。

あくまでもひとつの考え方になりますが、買取業者に依頼した場合、1ヶ月以内に資金が入ってくるということもあり、共有持分の売却で得た資金を、先に別のことに利活用することができます。固定資産税の支払も管理費用もその売却した時点で考えなくて良いことになります。相場と比べて安かったとしても、そういった手間と、先に次のことへ利活用できるという点を考えると相場より低い金額で買取してもらうことが必ずしも損をしているわけではありません。この部分はまさに相談者の状況によって変わってくることになりますが、そういった考え方をひとつ持ち合わせていると、売れた価格が相場より高い安いではなく、今の自分にとってその売れる金額が高いのか安いのかという判断ができるようになります。時間と手間と売却金額、全てを天秤にかけて検討していただくとそれぞれ答えが出てくるようにも思います。

 

まとめ

 

当社は不動産会社、空き家を再生している会社ですので、どうしても買取業者に依頼した場合の方が内容が濃いですが、弁護士に依頼することを否定しているわけではありません。ご自身のご要望や状況に合わせて、それぞれご判断していただくために、本ブログが少しでも参考になればと思っています。その先に、少しでも空き家が減っていけばいい、そういう思いで書かせていただいております。共有持分に関するご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。