空き家

【空き家長崎】入居希望者様のご要望まとめ

今回は、空き家を賃貸として入居者を募集する場合、入居希望者様と実際にやりとりをする管理会社として、今までいただいたご要望をまとめました。生活される入居者目線で気になる点などを教えてくださるため、大変勉強になります。空き家を収益物件としてご活用を検討中の所有者様はぜひ知っておいてください。

 

【空き家長崎】入居者目線で空き家再生を考える

 

今までのブログでは、空き家再生をする際に、売買用と賃貸用の両方で検討していただくためのリフォームなどをご紹介してきました。そこで賃貸用に少しフォーカスして、自身が戸建に住んでいる経験をふまえて、収益物件として運用する場合における「入居者目線」というのを話をしていきます。

空き家再生後、収益物件として運用する場合、物件の購入やリフォームなど、大きなところに目がいきがちです。

しかし、実はコンセントやエアコン取付位置など細かいところに入居者目線のヒントが隠されています。

入居者目線とは、シンプルに、「自分が住んだ時に感じる目線」といっても良いと思います。実際に生活をイメージするだけで良いのですが、例えば洗濯導線。

1階の洗濯機で洗濯した後、その洗濯ものを2階に運んで干すことだったり、その乾いた洗濯物をしまうのが1階の寝室だったりと、毎日のことで動線がスムーズでないと戸建に住むのがしんどくなってきてしまいます。また、小さなお子様がいらっしゃるご家庭ですと、お子様がベランダから落ちたりしないか、部屋と部屋の襖の段差で転ばないか、玄関から部屋に入る際の段差が高くて、子供が登れないなどの心配事があったりします。

生活する方がストレスに感じることのないよう「入居者目線」での工事内容を検討する必要があります。

 

【空き家長崎】入居者目線でよくご指摘いただく9つのポイント

 

①水回り

水回りはキッチンやトイレ、お風呂や洗面台などの水を取扱う場所のことです。その場所の「清潔感」が気になるポイントとしてよく上がります。最新のキッチンやトイレが採用されているということではなく、キッチン下の収納の天板がきれいか、水回りのところ油汚れはないか、換気扇周りの汚れも含まれます。

また、築年数40-50年の建物では、よくタイルが採用されています。タイルは色や柄によって好みもでるところですが、そういった全面的に交換するという要望ではなく、割れたりヒビが入っているところが気になるということをご指摘いただきます。タイルが割れたりヒビが入っていたりするところがあると、お子様がわからず触ってしまい怪我をしてしまいます。そういうところはタイルと似たような色でコーキングを施すだけで全然変わってきます。また、ゴムパッキンやコーキングが古くなってしまうと黒ずんできたり、ひび割れをしてきたりします。こちらも細かいことですが、コーキングをしなおせば見違えるほどキレイにになり、清潔感があがります。

割れたタイル

割れたタイル

ゴムパッキンやコーキングの汚れ

ゴムパッキンやコーキングの汚れ

 

②脱衣所の有無

「脱衣所がない」というのは、内見の時によく言われることです。キッチンの横にお風呂があるような間取りや、廊下にお風呂の入り口がある間取りだと着替がえたりする場所がありません。これは間取り変更をすることになるため、なかなか脱衣所がない空き家に、脱衣所をつくることは難しいかもしれませんが、カーテンやロールスクリーンなど配慮があるものを取り付けしておくとよいです。

「脱衣所がない」事例

「脱衣所がない」事例

 

③畳やクロス、天井や砂壁等の汚れ

入居者目線で考えた場合、普段目にする箇所がやはり気になるようです。家具で隠れるところは汚れていても良いかもしれませんが、それはあくまで入居者様の家具のレイアウト次第で、所有者と同じ家具の配置にするとは限りません。寝ている時に天井を見上げたり、目線にある壁の汚れが気になったりします。砂壁はこの空き家の年代のものだと、触るとボロボロと砂が落ちてきたりするため、そういったことは日常生活の中で毎日のことになるため、気になります。砂壁は下地がない場合が多いので、できれば下地に木材を入れて、クロスで仕上げるのが好ましいです。天井や壁のクロスの汚れも部分補修でもいいのでなるべく目立たないように工夫が必要です。汚れているところ一面をアクセントクロスに変更するというのも良い手段かと思います。畳はそのまま座ったりしますので、基本的に交換がよいです。畳床がまだ使えるようであれば表替でもよいですが、その場合は、畳床が汚れを吸収していることがあるため、普通の井草を使用するのではなく、防カビ対策などが施されたもので表替えをするのが良いと思います。

 

④収納の多さとその内容

空き家再生でよく見かけるのは、中段で仕切られた襖の収納です。襖の部分はそのまま採用するとしても、あらかじめ、中段を撤去して、ハンガーパイプを取付しておくと、洋室のクローゼットのように利用できるため、喜ばれます。細かいところですが、自分がハンガーで服を収納することをイメージしていただけるとそういったことにも気づくことができます。空き家は収納については多いですが、和式の収納が多いため、現代風に少し工夫するだけで使いやすさが変わります。

 

⑤和室の数

年代を考えると当然ですが、空き家再生をしていく物件は、和室がもともと多いです。「キッチン以外全て和室」ということもあります。和室は子育て世帯には必要なものですが、当社では再生工事をおこなう際に、戸建1棟に和室は1部屋という基準を設けています。畳が2部屋繋がっていた方が雰囲気が良くなったりする場合は、つなげて表現したりしますが、賃貸募集をする段階で、和室が多いと問い合わせがなかなかこないという現実があるため、オーナーにはそういった手法をご紹介しています。その代わり、和室の畳は縁なしで新調したり、畳の色とフチの色も空間に合わせることで違和感がなくなります。

畳が2部屋繋がっていた方が雰囲気が良くなったりする場合

畳が2部屋繋がっていた方が雰囲気が良くなったりする場合

小上がりの畳はフチなしを採用

小上がりの畳はフチなしを採用

 

⑥鍵の本数

「鍵は何本ありますか?」こちらも必ずと言っていいほどご質問をいただきます。家族数人で済む場合は人数分はほしいです。あらかじめ鍵を交換して新調することで鍵は5本程度用意できるため、そういったことも細かい準備ですが、非常に重要なことになります。

 

⑦エアコン取付穴やテレビ線の位置・コンセント位置

エアコン取付穴は、入居者様が取り付けしたいところをお伺いして、穴をあけるか、事前に取付位置を想定して穴をあけておくか、どちらかをしておきましょう。なぜかというと、入居者様が依頼されたエアコン取付業者様は、エアコンを使えるように取り付けることが業務であり、建物の構造で大切な「筋交(

すじかい)」のことは配慮できないこともあります。あらかじめ穴をあけておけば筋交に穴をあけてしまうということもなくなります。また、テレビ線やコンセント位置についても、なるべく多く設置しておくと、生活に自由度があがるため、大変喜ばれます。テレビを見られる部屋が1つしかない。や、コンセントが少ない。というご指摘もございます。特に電気のスイッチは毎日触るところのため、そのまま築40-50年前のコンセントやスイッチを使うというより、全て現代のものに交換するだけで、室内の印象が大きく変わります。

 

⑧駐車場の場所

空き家再生で取り扱う物件は車がいかない斜面地であることが多いため、駐車場の確保は必須となってきます。また、その駐車場から物件までの距離は限りなく近くで用意できると非常に印象がよいです。家の前の階段を降りたら駐車場があるという状況なら、大変喜ばれるため、入居の決めてにもなったりします。

 

⑨草木や虫の発生

もともと空き家だったため、傾きや隙間風などが見受けられるところではあります。そういったところから虫が侵入してきます。庭木なども大きく成長していて、蚊や蜘蛛などの虫が多く生息しています。草木の手入れや除去もある程度はおこなっておかないと、入居者にとっては、きりがありません。そういった虫が何度も発生するだけで退去の原因になったりします。庭木の剪定や、サッシの隙間がないように虫の侵入防止のテープを貼ったりなど、細かいところまで気を配り、対策を講じる必要があります。

 

まとめ

 

入居者目線で空き家再生を考えた場合、準備しておいたことをご紹介いたしました。最低限まで絞りましたが、9つもあります。大事なことは、自分が住んで気になるところは、入居者様も気になるということです。そういった「入居者目線」を大事にして、賃貸として運用する際には参考にしていただけたらと思います。