【長崎空き家】物件を引き受けた経緯ご紹介①(K様)
今回から、今まで長崎空き家所有者の方から、処分に困っている空き家を当社が引き受けたというエピソードを、シリーズでご紹介していきます。全て同じ経緯ということがなく、それぞれ空き家所有者様の思いが込められているところがあるので、みなさん色々な思いを抱えていらっしゃるということがよくわかります。
【長崎空き家】空き家所有者K様との出会い
当社が別で中新町の案件をお引き受けして、早速リフォーム工事に入っていました。そのリフォームの内容はリノベーションと呼べるもので、当社としても力を入れて、1,000万円以上の計画で空き家再生をしていました。その現場担当業者様から「中新町の物件の隣の土地の所有者の方から話かけていただいて、隣の土地をもらってくれないかとのことでしたが、どうしますかー? 他にも中新町で戸建を2件所有しているそうなのですが、処分に困っているとのことです。よかったら連絡先を聞いておきましょうか?」というご連絡をいただきました。その話しかけてくださったのが、空き家所有者K様でした。現場担当業者様には早速連絡先を聞いていただくことを依頼して、後日、中新町の工事中の現場でお会いすることになりました。
【長崎空き家】空き家処分に困っている理由
K様とお会いしてお話をお聞かせいただきました。当社が手がけていた中新町に昔住んでいた元々の売主様とは、家に何度も遊びにいくほど仲良くさせてもらっていたそうです。その中新町の売主様は音楽の先生をされていたそうで、K様が楽器の使い方を教えてもらったりした思い出の家とのことです。その家を綺麗にされようとしていて、思わず声をかけてしまったということでした。
中新町の土地は防草シートをひいていて、簡易的なフェンスもK様がご自身でたてていて、非常に綺麗な状態でした。その土地に加えて、年に数回、親戚が集まる場所として維持している明治時代に建築された建物を所有しているが、自分の子供達にその建物を残しても仕方がないと思い、処分の方法を模索することになったそうです。しかし、ご自身で物件の取引に必要な情報を集め、役所に相談しにいっても、市が引き取るとしても、更地にしないと引き取れないということで、解体する必要があり、費用もかかってしまうという状況でした。空き家バンクに登録もしたのですが、無償譲渡だったとしても反響がこず、このままずっと誰にも引き取ってもらえずに、建物が古くなってしまっては、いよいよどうしようもなくなってしまうという悩みを打ち明けてくださいました。その時点で当社としては、中新町の隣の土地は、非常に綺麗で、工事中の中新町の戸建の利用者に提供して、庭として活用するもよし、ドッグランとしても活用できるということで、一旦当社で引き受けることは決めていたのでその旨をK様にお伝えしたところ、大変喜んでくださいました。そこで、
「他の2物件も同じ中新町なので、ぜひみてもらいたい」
ということで、後日、その2物件を内見させていただくことになりました。
【長崎空き家】親族の方々とご挨拶・引き受けの判断
後日、明治時代築の中新町の物件にお伺いして、建物の全体を拝見しました。年に数回利用するということもあり、すぐにでも生活できる状態で建物を維持されていました。2階が入口で、1階におりていく間取りで、長崎らしさを感じる、明治時代を感じさせない良い物件でした。一通りみたあと、もう一つの物件もすぐそばなので、みてほしいということで、2軒目の中新町の物件を内見しにいきました。そちらには、現時点でも親戚の方が住んでいらっしゃって、建物を綺麗に保ったまま、引き受け先が決まったら市内に引越を考えているという状況でした。当社も現場担当業者様に同席していただいておりましたので、かなりの人数になりました。K様たちが4名で、当社関係者は6人いたのを覚えています。
物件を色々とみさせていただいたあと、明治時代築の中新町の物件に全員で戻ってきて、和室の居間のテーブルでお茶をいただきながら、感触はどのような感じかというところを気にされていたので、物件を拝見させていただきながら、引き受けたいという思いになっておりましたので、その意向をお伝えしました。
K様もその一緒にいらっしゃったご親族の方々もみなさん、目に涙を浮かべながら「本当にありがとうございます。肩の荷がおりそうで、ほっとしています。」とおっしゃっていただきながら、深々と頭を下げられていて、感銘を受けたのを昨日のことのように覚えています。
本当に大変だったそうです。不安でなかなか寝れない日もあったくらい、ご本人としては、古くなった建物を残していることが心の大きな負担になっていたということでした。引き受けてよかった。心から思いました。
それと同時に、引き受けてその後、リフォームをし入居者様に住んでいただけることで初めて空き家再生だと思っていますので、気を引き締めて再生していくことを心に決めました。
【長崎空き家】中新町物件のその後
中新町の物件については、2物件とも賃貸の入居希望者様がご入居されることになり、今も人に住んでいただいています。物件も広かったので、複数人で住むことになったそうで、入居前に扉を新設したりと、工事もかなり費用がかかりましたが、無事に空き家再生がひとつ完成したことで、また次の物件へと進むことができます。引き続き、長く住んでいただけるよう賃貸管理でのサポートも進めています。
みんなで話をした和室の居間は2部屋つなげて洋室に変更しました。
入居者様の希望で、扉を新設しています
まとめ
K様と親族のみなさまには大変感謝しています。当社も大きな会社ではないですが、直接お話しすることができて、共感もあり、信用していただくことができ、話がどんどん進んでいくことができました。資料もご自身で相当な情報量を調べられていて、状況も事細かに記載した資料もみせてくださいました。本当に真剣に向き合っている方で、もう不動産のプロと遜色ないほどの情報量でした。この度はありがとうございました。今後もこのような出会いや、新しい出会いで空き家再生できることを願いながら、コツコツと目の前のことに真剣に取り組んでまいります。次回以降もエピソードが続きますがしばしお付き合いくださいませ。