空き家

【長崎】低廉な空き家を取引する際の大切な心構え

今回は、低廉な空き家等を取引する際の買主側と売主側のそれぞれの必要な心構えを啓蒙していきたいと思います。当社は自己居住用の空き家再生と収益物件としての空き家再生を2種類おこなっていますが、通常の不動産売買と少し違った考え方や心構えが必要なところもあるため、ひとつの意見としてご覧いただければと思います。

 

【長崎空き家】低廉な空き家を所有している売主の心構え

 

空き家になってしまう理由は、相続等でご両親から実家を引き継いだケースが多いといわれています。また、ご自身の年齢を考慮して、施設に入ったりご子息の近くに引越をすることもあります。みなさん、自分が長く過ごした場所を大切に思っています。自分で購入した戸建であれば、夢のマイホームとして購入したまさにその時期の、本当に大切な一軒家で、ローンの返済も大きかった時代、ローンを完済するまで大変だったとよく聞きます。

その気持ちとは裏腹に、自分でメンテナンスできなくなってしまうと、風通しが悪くなり、動物や虫が住みついていき、建物はどんどん老朽化が進んできます。

どうしても、以前の自分が物件を購入した時のことがあるため、あまりに低廉な価格で売却するご決断ができなくなることがよくあります。

 

「そんなに安くなるはずがない。当時で2,000万円くらいした。」

「父親が何回も手入れをして、私のために増築してくれたいい物件なので、そんな価格では。。。」

 

非常によくわかります。

ここで、心構えとして「次の世代に残せるうちに、次の世代が利用しやすい価格で引き継ぐ」ことを意識して欲しいと思っています。

老朽化が進むと、住める状態にするまでにひどい場合は1,000万円くらいかかることがあります。そのくらいかけるなら、長崎では、他の敷地内に駐車場があるような物件が買えてしまいます。今まで過ごした大切な場所を、次の方にしっかりと引き継ぐためには、老朽化が進む前に、手放す必要があるのかもしれません。

空き家再生後の物件に住まわれる方は、子育て世帯が圧倒的に多いです。そのお子様にとっては新しい「実家」になります。その次に住まわれる方々が購入しやすい、または借りやすい価格にするためにも、次の世代に引き継ぐために、こういった心構えでいてほしいと願っています。

 

収益物件として運用される方に売却する場合でも、賃貸で子育て世帯が住むことがあります。収益物件としての購入では、物件価格がいくらでリフォームがいくらで、想定家賃がこれくらいで決まりそうだから、収益物件として成立するorしないという判断で購入されています。

長崎でそういう物件として売却する際には、物件の状態によっても価格が変わってくるのですが、長崎特有の自動車が家の前までいかない、階段が多い物件は、200万円を下回らないとなかなか売却は厳しいかもしれません。

少しでも売却価格をあげたいということであれば、老朽化が進んでからでは遅く、建物のメンテナンスをされている時期に売却を検討することをおすすめします。

 

【長崎】低廉な空き家を購入する買主の心構え

 

 ①収益物件で運用することを目的とした購入

収益物件として運用する場合は、自身で生活することを予定していないこと、また収益が重要なため、物件の仕入については、価格が低ければ低いほど、収益率があがるため、購入価格をさげる話は必ず出てくるかと思います。当社宛にもインターネットからの問い合わせで、現地を内見していない状況で、ネット上には500万円前後で掲載している物件でも、

「この物件10万円になりませんか」

「中は見なくて大丈夫です。自分は住まないので」

「御社管理物件で、10万円になる物件があれば即購入します」

という合理的な価格重視のお問い合わせをいただくことが多数あります。

 

ここで、大切にしていただきたい心構えは、「金額の相談をするのであれば、物件の状況や売主の状況も理解する」ことです。

実際に前段でご紹介した、売主側の売却経緯や、どういう気持ちで売却の掲載をしているのかということについて、考えていただきたいのです。

 

売却がなかなか進まない場合、500万円の物件から400万円に値段をさげていただくのも、気持ちの整理がついてから、家族で話し合った結果その価格になっています。

売主と買主の間の入る仲介業者も、そういった経緯があるため、「内見をされていないのですが、10万円で買いたいっていっている人がいます」なんて、とてもじゃないですがお話するのは難しいです。売主側からみて、仲介業者の信用が低下することにもなりかねません。

そのため、そういったお問い合わせは、どうしても対応しかねてしまいます。

 

現地におこしいただき、内見をしていただいた上で、その価格になる理由を伝えていただければ、仲介会社の方がも売主側にお伝えしやすいと思います。

 

②自己居住用としての購入

自己居住用としての購入ということは、ご自身や同郷のご家族が生活するため、心構えとして「屋根の状態や屋根裏や床下も可能な限り自身で確認したうえで購入を判断する」ことです。

自己居住用の場合は、自分が住むことになりますので、ほとんどのお客様が、「売主はどういう家族構成で住んでいて、どんな人だったのか」「売却の経緯」を自然とご質問いただきます。気になるからですね。自分が住むことをイメージしている段階ですので、こういったご質問には、可能な限り細かくお伝えできるように事前に情報を仕入れておりますので、気になることはどんどん聞いていただいた方が良いと思います。そのため、収益物件として購入する上での心構えとはまた違ったものになってきます。

床下点検口などがない場合は、床下をみることは難しいです。可能な限り建物の状態をご自身の目で確認するようにしてください。

購入してから様々なトラブルが起こることも想定する必要があります。低廉な空き家というのは、全体的にそういう傾向があります。そのため、購入前に可能な限り問題が起きそうなところや、現時点で問題があるのかどうかを把握していくことが重要になります。

 

まとめ

 

「心構え」という広義な表現をいたしましたが、不動産取引においては色々な心構えがあると思います。長崎空き家の流通がすすむこと、それにより戸建に住む方が増えることを目指している当社が、大事にしていることをご紹介しておりますので、もしお考えにあわない場合は、こういった考え方もあるんだ程度に留めておいていただけたら幸いです。