空き家

【長崎空き家】無償譲渡の実務

今回は、空き家の無償譲渡が長崎の場合、どういった実務になるのかということをご紹介していきます。空き家の所有者でお困りの方は無償でも譲りたいと思っていることがあります。特に長崎の場合は、建物の状態も道路からの階段の段数も多いと、価格がつかないことが多いです。そうした時に無償譲渡ということになりますが、その場合、どういう風に進めたらいいのかということがわからないことがあるため、進め方のところをご紹介できたらと思います。

 

【空き家無償譲渡(長崎)】譲り受けされる方をみつける

 

低廉な空き家となってくると、不動産会社に売却の依頼をしても、なかなか買主が見つからないのが現状です。そうした時に、「空き家バンク」といった空き家を専門に取り扱っているサイトを利用したり、空き家買取業者に直接問い合わせをすることも出てくると思います。しかし、「0物件」や「無償で提供します」といってサイトにのせるだけでは、なかなか無償で引き取ってくれる方もみつからないことがあります。

無償といっても不動産業者が引き受けると、その引き取った不動産業者(宅建業者)が一般ユーザーに販売する際に「契約不適合責任」という、売主が宅建業者だった場合に生じる買主に対しての責任が生じます。そういった「契約不適合責任」が生じてしまう空き家は買取業者からも敬遠されてしまいがちです。

一般ユーザーが購入する場合でも、購入した後の使い方が、思っているように使えるのかどうかを知るために、無償譲渡であっても現地にいったり、内容を確認することが多いです。そのため、現地の不動産業者に案内を依頼するとしても、記事でも書きましたが、仲介手数料と調査費用で33万円(税込)がかかってしまうことになります。仲介手数料が実質上限があがったとしても、買主側からはもらえないため、片手仲介ということになり、やりたがらない不動産業者がいることも事実です。

本記事では、長崎空き家の無償譲渡における実務をご紹介していきますので、買主をみつける具体的な話はまた次回以降に持ち越しさせていただきます。

 

【空き家無償譲渡(長崎)】譲受人(買主)との契約

 

現地の確認も終わって、無償で譲り受けをしてくださる方が見つかったとして、そのまま「じゃあもらいます。」と口約束だけでは譲受は成立しません。譲渡人と譲受人との間で、無償譲渡の契約書を締結することになります。契約が必要なのは、登記上の情報の、土地と建物の所有権を譲渡人から譲受人に移転するために、どういった理由で所有権を移転するのかを明確にしなければならないということが理由にあげられます。その担当してくださる司法書士に依頼すれば契約書の作成は可能なこともあるため、相談してみてください。宅建業者が間に入っている場合は、宅建業者に契約書を作成してもらうこともあります。

この所有権の移転があることで、固定資産税の納付義務者もかわるため、確実に終わらせる必要があります。

また、ここで注意点ですが、無償譲渡ということになると、譲受人については贈与税の課税対象となります。相続税評価額を利用するのですが、110万円の非課税枠を超えてしまうことがあります。あらかじめ相続税評価額がいくらなのかを調べておく方がよいと考えます。

もし、売買ということで成立した場合は、1万円でも10万円でも価格がついている以上は、売買契約ということになり、売買契約書を登記手続きの際に利用すれば、所有権の移転は可能です。

 

【空き家無償譲渡(長崎)】譲受人と引渡日を決めて、登記手続きをすすめる

 

無償譲渡の譲渡契約書や、1万円や10万円で成立した売買契約書をもとに、引渡日にむけて準備をします。無償譲渡の場合は、固定資産税は今年度分までは譲渡人が支払って、引渡成立後の来年度からは譲受人が負担することが多いです。固定資産税の精算をおこなうということが、「無償譲渡」ではなくなってしまう可能性があるため、譲受人が嫌がるケースがあります。譲渡人も固定資産税の精算でトラブルになって成立しないくらいなら、そのまま進めてしまうことが多いです。特に準備することがない場合は、契約日と引渡日が同日になることもありますが、司法書士に色々と動いていただくことになるため、スケジュールの確認は司法書士にもするようにしましょう。

譲受人が特に代金の送金がない場合は、通常の売買のような司法書士による着金確認などは必要がないため、引渡日を定めたら所有権移転登記申請は司法書士に依頼して、その日のうちに登記申請が完了します。

登記申請完了と同時に、無償譲渡は完了です。

 

まとめ

 

今回は長崎空き家における無償譲渡の実務を紹介いたしました。無償譲渡については、ご相談をいただくことも増えてきているため、次回以降、少し掘り下げてご紹介をしていくようにいたします。